大分県、湯布院町にある由布院温泉の新御三家と呼ばれる人気旅館の1つ。昭和62年創業。

由布院駅の約2.5km西にあり、約4千坪の敷地で、客室数はわずか10室のみ。竹林と雑木の中に、本館+離れ+温泉棟+ギャラリーが静かに佇む。

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立て看板は出てるが、木々によって建物が見えないので、ここが旅館だとはわかりにくい。

由布院温泉は、大分県由布市湯布院町の由布岳(標高1584m)南西の山麓の盆地に湧出する温泉。852本の源泉があり、温泉湧出量は全国2位の毎分約4万リットル。

昭和30年、由布院温泉のある由布院町と、湯平温泉のある湯平村が合併して、湯布院町になった(「湯布院」は、由布院と湯平を組み合わせた合成地名)。その頃は、旅館数軒に湯治客がわずかに滞在するだけの、農業中心の鄙びた地域だった。

それが突如大きく変貌した。昭和46年、中谷健太郎(現、亀の井別荘代表)が、本多静六の公園記録をヒントに、溝口薫平(現、玉の湯代表)、志手康二(故人、山のホテル夢想園主人)らと、欧州に視察に行き、緑豊かなドイツの温泉地バーデンヴァイラーを手本とした町造りに着手した。

映画祭、音楽祭、午喰い絶叫大会など、ユニークなイベントを開催。自然と調和した街並みが、個人・女性・家族旅行者の心をとらえ、次第に知名度が上がり、今では全国有数の人気温泉地となった。

源泉が多く湯量が豊富で、広範囲で湯が湧くので、旅館が密集しておらず、敷地が広くゆったりとした宿が多い。

100余りある宿の中で、『玉の湯』『亀の井別荘』『山荘 無量塔(むらた)』が由布院の御三家と言われ、『草庵秋桜(こすもす)』『山荘わらび野』『二本の葦束(あしたば)』が新御三家と呼ばれる。

 

立て看板の脇から敷地内に入り、約30m程進んでタクシーが止まるとすぐに、左手のなだらかな斜面の木々の間を、男性と女性のスタッフが下りて来て、タクシーから降りるなり、にこやかに出迎えてくれた。



荷物を運んでもらいつつ、石と枕木を上っていくと本館玄関にたどりついた。



中に入ると、正面左手にあるコンパクトなカウンターがフロントになってて、ここで宿帳に記入。


食事処、談話室への上がり口

フロントの通路を隔てた向かい側の、靴を脱いで上がる板張りの空間の奥が、食事処(朝食会場)と談話室がありますとの説明された後、男性スタッフに、フロント前から奥へと伸びてる通路から、部屋へと案内された。



通路奥の格子扉を抜けると、中庭の木々の間に回廊式の通路が分岐しつつ伸びてた。



庭のあちこちから、澄んだ湧き水が流れ出て、小さなせせらぎとなって敷地内を流れてる。

回廊に面してる、木製引戸(上部が障子)の前に小さく部屋名が表示されてて、ここが部屋の入口(玄関)になってる。

 


宿泊したのは、10畳+4.5畳+広縁+露天風呂付きの部屋。

和室中央には、テーブルではなく、炬燵が置かれた(このあたりは冷え込むので10月下旬頃から炬燵にしてるそう)。

お風呂は源泉掛け流しの御影石の露天風呂。長方形の大きめの浴槽から、硫黄臭のない無色透明な温泉が溢れ、いつでも足を伸ばしてゆったり浸かれる。



部屋に案内されて、炬燵に入ってくつろいでたら、すぐに、緑茶&茶菓子を運んできてくれた。茶菓子は、小豆の茶巾絞りで、庭の葉っぱが添えられてた。乾き気味のつぶし餡が3〜4cmのかわいらしい丸形に形成されてて、口の中に素朴な甘さが広がる。



お茶で一服した後、庭を散策しながら、別棟にある大浴場へ。


温泉棟(大浴場)

庭の木々の間にある、日本昔話に出てきそうな茅葺屋根の建物が、大浴場になってる。

タオル、バスタオルは完備されてるので、部屋から手ぶらで出かけた。
 
 
脱衣所

外観は昔風だが、引き戸を開けて中に入ると、脱衣所は、木の質感溢れた清楚な造りになってて、大瓶に草花が生けてあり、冷水が準備されてた。


内湯(土造り、切石造り)

脱衣所、内湯、露天風呂が、2つづつあって、男女入れ替え制になってる。


露天風呂

露天風呂は、上から湯が流れ落ちてて、もうもうと湯気が立ち上ってた。

部屋風呂と大浴場をハシゴし、炬燵でのんびりしてたら、夕食時間になった。


ドリンクメニューから、ビールや日本酒を注文した。

■夕食(部屋食)


夕食は、手書きの献立表が添えられてて、お部屋担当の女性スタッフが、炬燵の上に準備してくれた。

おっとり&やさしい対応で、ゆっくり、タイミングよく料理を運んできてくれる。



◎食前酒:梅酒
◎晩秋盛り合わせ:
 銀杏、柿&蕪のなます、帆立のグラタン
 椎茸はさみ揚げ、海老の明太子載せ
 蓮根&くわいチップス
◎胡桃豆腐

晩秋盛り合わせは、椿の花芽を添えた四角皿に5品が盛られてた。

銀杏は茹でてあって、殻が剝きやすく、軽く塩味が付いてた。柿&蕪のなますは、春菊が入ってて、酸っぱさ控えめで柿の甘さ&春菊の香りが混じりあってる。
帆立のグラタンは、帆立+長ねぎ、ブロッコリー、白菜入りで、さらっとした自家製ベシャメルソース表面にこんがり焼き色が付いてて、あっさり仕上がってた。椎茸はさみ揚げは、ミンチ肉が夾んであって、和牛風味。海老はふっくら焼けてて、海老の味濃厚。

胡桃豆腐は、揚げ出しになってた。通常の揚げ出し豆腐より、滑らかでコクがあって、柔らなダシが効いてた。


左:生ビール ¥600
右:日本酒 鷹来屋5代目(純米吟醸、1合)¥1200

生ビールは、冷えてて、グビグビ飲めた。
鷹来屋(たかきや)5代目は、冷酒で。大分県豊後大野市の「浜嶋酒造」の日本酒。辛口だが、爽やかな飲み口で、深みがあって味わい深い。



◎旬の造り

お造りは、しっかり冷やした青竹で運ばれてきた。

竹の蓋を取ると、中に、コチ、カンパチ、イカが人参、黒大根、わさびを添えてきれいに盛りつけてあった。刺身はどれも鮮度よく、コチ、カンパチは透明感があって、身が締まってコリコリとしてた。イカは甘みがあって、ヤリイカのようだった。海が近いので海の幸も豊富のよう。



◎地どり汁

地どり汁は、澄んだ出汁の中に、炙った地鶏、ごぼう(笹がき)が入ってて、柚子、芋がら、長ネギがトッピングされてて、塩味仕立てになってた。

表面に油分が浮いてるが、ギトギトしてなくて、炙った地鶏は香ばしく&弾力があって、ごぼうが利いてて、素朴で品のいい味に仕上がってて、おかわりしたかった。



◎山女魚塩焼、焼き野菜添え

山女魚塩焼は、こんがり焼き上がってて、竹笊に葉っぱを添えて盛られてた。小ぶりで顔がシャープで天然魚山女魚とのこと。お皿にとりわけて、カボスをかけてから食べた。

焼きたての熱々で、皮の部分は香ばしく、その下の身は、キメが細かく、ふっくらとしてた。小ぶりなのに、魚の味がしっかり濃厚で、養殖ものとは別物で、川魚のおいしさを実感した。日本酒ととっても合うのでつい酒が進んでしまった。

別皿で、焼き野菜(あやめ蕪と山芋)とマスキャビア(鱒の卵で作ったキャビア)が付いてた。マスキャビアは、鮭の卵より粒が小さく、皮は固めで、濃いめの塩味が付いてる。単独でたべれば、少し生臭さがあるが、下味の全く付いてない焼き野菜に載せて食べると、マスキャビアの魚卵らしい味と塩漬けによる塩味が野菜に絡んで、うまく調和する。


日本酒
左:豊潤(特別純米、1合) ¥900
右:繁桝(純米大吟醸、300ml)¥2000

料理がおいしくて、ついついお酒も進んだので、日本酒を追加。

豊潤は、ぼくとつとしてて純米酒らしい素朴な味わい。繁桝は上品な味わい。



◎鯛かぶら蒸し

鯛かぶら蒸しは、鯛の上に、混ぜた合わせたカブ+大和芋、卵白をかけて蒸し上げて、ウニ、ナス、牡丹シメジ、三つ葉が添えてあった。

ほっくり滑らかなカブ&大和芋の層の下に、ほっくりとした純白の鯛の身が入ってて、やさしい味わい。なすは揚げ煮になってて、大ぶりな牡丹シメジには下味がついてて、薄色のダシが全体をまとめてた。



◎牛、地どりロースト

肉料理は、豊後牛と地鶏の盛り合わせで、水菜、玉ねぎのピクルス、柚子胡椒、岩塩が添えてあった。

豊後牛は、中央に赤色が残るくらいに、地鶏は皮がこんがりローストしてあった。焼き加減がちょうどよく、食べやすいサイズにカットしてあるので、ほおばると、肉の弾力とともに、牛肉と地鶏の味が口いっぱいに広がる。



◎自家米

ごはんは、ふっくらと炊けてて、おひつにたっぷりめによそってあった。

牛肉&地どりローストと一緒に食べるため、早めに運んできてもらった。上質な肉は、お酒にも合うが、ごはんのおかずもぴったり。



◎呉汁、香の物

呉汁は、ほとんど具なしの赤だし風のみそ汁で、下の方に、沈殿物(大豆のすりつぶしたもの)が沈んでた。


◎デザート

デザートは、黒砂糖のババロアと抹茶アイスで、色づいた葉っぱと、梨が添えてあった。





朝食は、本館フロント向かい側奥にある食事処で。



和室に敷いた絨毯の上に、テーブル&椅子が配置されてて、窓から枯れ葉が舞う晩秋の庭が見渡せた。

■朝食
 

・だし巻き玉子、焼塩鮭、明太子 ・切り干し大根 
・ほうれん草&豆乳のスープ ・揚げ出し豆腐
・ちりめん山椒&海苔佃煮
・ごはん、みそ汁、漬物

手作り感のある充実した朝食で、簡易コンロの料理は1品もなかった。



蒸し野菜

食べ始めてすぐに、熱々の土鍋で運ばれてきた。

蓋を開けると、立ち上る湯気の下に、キャベツ、大根、人参、蓮根、さつまいも、こんにゃく、椎茸、水菜、インゲンなどが入ってて、添えてあるオリーブオイルベースのドレッシングで食べるようになってた。

 

食事処の隣の談話室には、石張りの暖炉と古時計があって、タイムスリップしたような雰囲気。

全10室が離れ、離れ風の造りになってて、宿というよりも、自分の家にいるようにくつろげる。

満室が多い人気の宿で、今回は、偶然にも1室だけ空いてて、ようやく泊まれたが、帰る際に、次の予約を入れていくリピーター客も多いそう。

大規模ホテルのような、派手な施設はないが、隅々まで配慮の行き届いた静かな宿で、好きな時間に部屋付きの露天風呂で、源泉掛け流しの湯が堪能しながら、別世界のようなゆったりした至福の時間が過ごせた。

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『山荘 わらび野』
 大分県由布市湯布院町川北952
 電話:0977-85-2100

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