新潟市古町通りの中心部のアーケード街にある老舗菓子店。40年ほど前は新潟ではみんながが知ってる有名な店。明治6年(1873)創業。

白壁造りの重厚感ある建物。蔓草模様の看板の上に、家紋風透かし彫りがある。その上には右横書きの看板が掲げられ、古風な店構え。

ここ古町通5番町は、漫画のキャラクター7体の銅像が歩道に点在する「水島新司マンガキャラクターストリート」で、この店の真ん前には「ドカベン」の主人公:山田太郎の銅像がある≫人気blogランキング

 

現店主は5代目。江戸時代末期に播磨国から来た先祖が、白山島で雑貨店『播磨屋』をはじめた。その後、婿養子の糸蔵が、明治6年に古町に菓子店『春花堂』を開業し、長崎の職人から作り方を習ったカステラを、新潟で初めて製造&販売した。はりまやの糸蔵から、「はり糸」と呼ばれるようになり、後に屋号となった。

40年以上前、新潟駅地下1階名店街に店舗があり、この店のケーキ(ショートケーキやモンブランなど)をお土産としてもらうことが多かった。

一時は、新潟市内に20以上の店舗があったが、約9年前、50数年ぶりに本店のみの経営に戻った。洋菓子部門を縮小して原点回帰し、店内で毎日製造する作りたてのカステラを主力商品としてる。

ドイツビールのモルゲンロートのすぐ向かいにある。



玄関入ると、店内は縦に長い長方形型で奥が工場の造り。かわいいキャラクターの等身大(?)パネルが迎えてくれた。



店からガラスの向こう側の工場が見えるようになってた。



左手壁面には、その昔のカステラの手造りしてる様子を表す人形が飾られてた。

 

手前側にカラフルに包装されたお菓子類が並ぶ。カステラを中心に、洋風焼菓子、詰め合わせなどが並んでた。

 

小ぶりな箱に入ったカステラ四姉妹という品もあって、カステラの種類が豊富で、味のバリエーションが楽しめそう。



窓越しに外からも見えるところに、地酒カステラが並んでた。地酒カステラは、カステラ1枚に、日本酒の越乃寒梅を1升使って作っているとのこと。

越乃寒梅の日本酒は、いささか値が張るし、重いし、瓶入りなので、割れる心配もある。それに対しこのカステラは、お手頃価格で、軽く、割れる心配はない。あまり見かけないし新潟土産にぴったり。

 

ぜんざい最中、切り出しカステラ、栗ようかんなども購入。

 

懐かしの『ゆかり』があったので、大喜びで4種全部を買ってしまった。これは、新潟の冬の常備品で、小さい頃、祖父母と一緒によくこたつで飲んでいた、子供の頃は黄色の柚子味が定番だったが、最近しょうが味が加わり4種類になった。

紙袋の図柄が昔のままで、何十年もタイムスリップした気分。


それぞれを持ち帰って食べた。



地酒カステラ ¥800

小さめサイズ(6×6×15くらい)のカステラ。これ1本に、越乃寒梅が約50ml含まれてるそう。

大きめホイルに丁寧に包まれてて、ホイルを開くなり、日本酒の芳醇な香りが漂ってくる。

日本酒の水分をしっかり含んでて、絞れば日本酒が出てきそうな位、しっとりとしたカステラになってる。持ち帰る際、ちょっと傾いてたためか、水分が若干偏ってた。

冷やして食べると、口の中で、カステラの風味と合わさった、越乃寒梅の芳醇な香り甘くが漂う。

日本酒のアルコール分が飛んでいないので、何口か食べると、ほろ酔い気分になりそう。甘党の人にも、お酒好きな人にも喜ばれそうな面白いお土産。


カステラ切り出し ¥600

カステラは、バームクーヘンとともに、私のロングセラーのおやつの1つで、つくば市付近で時々買う。しかし、この店のは添加物が入っていないので、風味豊かで素朴な味わいでひと味違う。一度食べて見ることをおすすめする。

カステラ切り出しは、製造元ならではのレア品。大きさ・形が均一ではない、カステラの端の部分がパック詰めされてる。よそいき感はないが、値段のわりにたっぷり入ってて、自宅用のお得な品。

端の部分だけあって、凸凹とした曲線を描いてた。凸凹のある部分は、密度があって、風味も濃厚。甘さもちょっと濃いめの感じ。

私は、カステラだけじゃなく、のり巻き、角形ケーキ、玉子焼きなどの端の部分が好き。丸ごとの状態のが、カットされて並んでたら、迷わず端から取って食べてしまう。形は整ってないが、香ばしかったり、クリームの表面積が多かったり、はみ出てる分具が多かったり、その品々のアンバランスさを味わうのが楽しい。

次回は、切り出しカステラ、形の整ったカステラの両方を購入して、食べ比べてみたい。



ぜんざい最中(2ヶ入)¥320

ぜんざい最中は、直径7cmの丸形の最中で、皮には、梅花の模様が描かれてる。半分に割ると、小倉餡がたっぷりと、餡の中央には求肥(ぎゅうひ)風の餅が入ってる。この店で製造している。

そのまま食べれば、サクッと皮が香ばしい最中だが、器に入れて熱湯を注ぎ入れれば、皮と求肥風餅の部分が小豆と共に湯と馴染んで、軽やかなトロミのある飲み物となる。皮のサクサク感はなくなるが、香ばしさが余韻としてお湯の中に漂う。

たっぷり大きめサイズなので、半分は最中として、半分をぜんざいにして食べた。1ヶで2度おいしい(古いフレーズだが)。

ぜんざいにすると、甘さがやさしくなり、体も温まる。小腹の空いた時や疲れた時になど、特に寒い時に手軽にぜんざいが作れて重宝する。


純栗ようかん ¥2000

純栗ようかんは、栗と白餡で作られてた。白餡によって、栗のホクホク感が一層強調されてる。

小豆を使った栗羊羹や栗蒸し羊羹とは異なり、栗饅頭の真ん中の餡の部分だけを食べてるようで、贅沢な気分に浸れる。

コンビニやスーパーでよく見かける文明堂など、大手企業の知名度の高いお菓子が世の中に多く出回ってるが、店舗数の多い大企業の大量生産品は、売れ残るリスクやコストが高いので、合成保存料を入れたりして賞味期限を長くしたり、テレビなどでCM費をかけてる。賞味期限偽装表示の原因にもなってる。その結果製造後期間が経つので作りたての風味に乏しく、添加物が多いので美味しくなく、おまけに値段が高い。

これに対し、この店のように製造所直売の店では、作り手と客の信頼感が生まれるだけでなく、お菓子は、作り立ての風味が豊かで、添加物が少なく、値段も手頃。これが、お菓子だけでなく、食べ物の本来の姿だと思う。

ずいぶん久しぶりにはり糸に行ったが、しばらく忘れていた新潟らしい素朴で良質なお菓子を思い出した。懐かしさもあって、おすすめ度は、7.7としよう。

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■『はり糸』
 新潟県新潟市中央区古町通5-618

 電話:025-228-4471
 営業:9:30~19:00
 定休日:年中無休