伊豆長岡温泉の古奈にある、総部屋数12室の京風料亭旅館。

数寄屋門のある淡色紅殻壁の純和風の2階建て。

昭和40年(1965)創業で、「真に安らげる宿」をコンセプトに、平成22年10月リニューアルオープンした≫人気blogランキング



県道129号の古奈交差点の南東の静かな住宅地にある。

玄関から塀伝いに20m程南行った場所に6〜7台分の駐車場があった。

修善寺が、中心を流れる桂川の両岸に形成されてる温泉街なのに対して、伊豆長岡温泉は、平地に民家やアパートが建ち並ぶ、地方都市っぽい、少し鄙びた素朴な町並みの中に、旅館やホテルが点在してて、それほど温泉街としての情緒はない。

「伊豆長岡温泉」は、源氏山(伊豆長岡駅の西南西約1.2kmにある標高150m程の小高い丘)の東にある古奈温泉と、西にある長岡温泉の総称。

古奈温泉は、弘法大師が発見したとも伝えられる、開湯1300年の温泉。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にも小名の湯として、源頼朝がしばしば訪れたとされている。修善寺の独鈷(とっこ)の湯、伊豆山の走り湯と並ぶ、伊豆三古湯の1つ。長岡温泉は、明治40年(1907)の発見で比較的新しい。

 

門の格子戸を開けて、敷石のアプローチを進んで行くと、右手に、朱色の実&風鈴をつけたホオズキの鉢が並んで吊してあって、風流な雰囲気。その先、左手が玄関になってた。



入ると、正面奥に庭の木々が見え、右手がコンパクトなフロントカウンターになってた。

建物は、京都の北山杉などを植栽した日本庭園を囲むように、本館、離れ、新館が配置されてて、大きな旅館のような仰々しさはなく、和やかな雰囲気。

いらっしゃいませと、黒いスーツを着用した女性従業員数人ににこやかに迎えられて、すぐ左手にある喫茶コーナー風のラウンジへと案内された。



苺生どら&コーヒー(ウエルカムドリンク)

掘りごたつ式のカウンター席(5〜6人で満席になりそう)のこぢんまりとしたラウンジで、お菓子&飲物が出さた。

お菓子は、小さめサイズのどら焼きで、苺風味の生クリームがたっぷりサンドされてた。ドリンクは、コーヒー(温or冷)、冷たい緑茶などから選べた。

 

ここで一息つきながら、宿泊手続きや説明を受け、朝食の時間やメニューが選べるアンケート用紙に記入した後、部屋へと案内された。なお、ラウンジでの生ビールサービス(16:00~17:00)もご利用下さいと言われた。



案内された部屋は、和室2間+広縁7帖+半露天温泉風呂付きで、しっとり落ち着いた雰囲気。


部屋の半露天風呂(源泉掛け流し)

半露天風呂は、タイル貼りのレトロな浴槽+箱庭が付いてて、広めでゆったりとしてた。

 

大浴場(上)不二白梅の湯
   (下)不二紅梅の湯

大浴場は、大小2つあって、時間帯で男女入れ替え制。それぞれ内湯&露天風呂付き。内湯は、樹齢2000年の古代檜風呂。不二白梅の湯の浴槽は、ゆったり広くて、手足を広げてのんびり入浴できる。



大浴場は、別棟にあるので、庭に面した渡り廊下を通っていく。



渡廊下の一画には、湯上がり用の冷たいドリンク(ヤクルト、冷茶など)が準備されてた。


小さな美術館

新館には、日本絵や工芸品が陳列された部屋があって、自由に飲めるよう、コーヒーメーカーが置かれてた。

入浴後、ラウンジで無料の生ビールを飲んだり、お土産コーナーの品を見たりしてたら、夕食の時間になった。



食事処

プライベートを大切にするために、従業員の部屋への立ち入りは最小限としているとのことで、食事は部屋食ではなく、フロント右手にある食事処に準備された。

ここの料理長は、日本料理マイスターに認定された人。

マイスターとは、職業能力開発促進法に基づき2003年(平成15年度)に創設された技能検定制度。20年以上の実務経験と優れた技能&実績を持ち、後進の育成と技能の伝承に熱心な技能士であると認定されたに人に与えられる。約60職種があり、調理(日本料理)における全技連マイスター認定者数は全国に179名(平成24年9月1日現在)。



大広間を御簾で仕切った個室にテーブルが配置されてて、光や人影は認識できるが、プライバシーが守れるようになってる。BGMにジャズが流れてた。

お部屋担当の女性が、料理を運んできてくれる。献立表はあるが、1品づつ料理の説明をしてくれるので、わかりやすい。

■夕食


◎前菜:鯖寿司の木ノ葉生姜載せ、ばい貝含め煮
    海老&カブのカクテルソース添え
    鯛福沙寄せ雲丹焼き、子持ち昆布
    つる菜白和え、茄子生麩饅頭

サバ寿司は、赤っぽいお米で作ってあった。青しそ、白ごまが入りで、葉っぱの形の生姜が載ってて、青み魚のクセを和らげてた。海老のカクテルソースは、チリソース風のピリッと辛いソースがエスニック。

鯛福沙寄せ雲丹焼きは、椎茸、人参が入ってて、スポンジ風の食感が高野豆腐みたいで、湯葉を巻いて雲丹を塗って焼いてあった。子持ち昆布は、鰹節がまぶしてあった。はりはりとした歯ごたえで、ダシが効いてた。

つるむらさきの白和えは、こんにゃくが混じってて、軽く粘りがあって滑らか。茄子生麩は、紫&緑の色と形がリアルで、中に甘口の味噌餡がはいってた。


(左)生ビール(ジョッキ) ¥700
(右)果実酒:味くらべ3種 ¥300

生ビールは、しっかり冷えてて、グビグビ飲めた。果実酒は、4種から、いちご、かりん、梅を選んだ。いちご、かりんは甘口で、梅酒は酸味が心地よかった。


◎造り:本鮪、鯛、紋甲烏賊、生海老

刺身は、青竹にきれいに盛り付けられてた。
本鮪はとろけるような大トロ。マグロの本場だけあって上質。鯛は皮付きで、透明感&光沢があり、身と皮の間に脂が載ってて、甘みがあった。紋甲烏賊は、細かく飾り包丁が入ってた。

ツマは、料理長手切りとのこと。にんじん、ラディッシュ、きゅうり、ずいき、うどなどが、繊細に着られてて芸術品のよう。手切りのツマは、食感がよく、みずみずしい。


◎吸物:海老真丈、三つ葉

吸物は、ジュンサイ、松茸、結び三つ葉入り。塩分控えめで、だし香りがよかった。


日本酒:白隠正宗(純米、300ml)¥1000

白隠正宗は、小瓶入り。氷水で冷やした状態で運ばれてきた。開けたての日本酒は、香りがいい。


◎煮物:茄子饅頭、貝柱餡

茄子饅頭は、海老、鶏肉、穴子、キクラゲなどが入ってた。貝柱入りの餡が掛かってて、口あたり滑らか。揚げた茄子の皮と麩が添えてあって、生姜汁が効いてて、茄子と生姜の相性の良さがわかる。


◎焼物:鱸たで焼き
    丸十レモン煮、酢取矢中添え

すずきは、香ばしく焼いてあった。さつまいも、はじかみが添えてあった。


◎温物:鱧蒸し、芽ねぎ、花穂、揚ねぎ
    降り柚子

温物は、茶碗蒸しの上に、鱧、揚ねぎがこんもり載ってて、花穂が散らしてあって。揚ねぎの香ばしさ&甘みが効いてて、ちょっと洋風な茶碗蒸しだった。


(左)焼酎:静岡茶焼酎 八十八夜(ロック)¥600
(右)リキュール:いちご酒(ミルク割り)¥600

いちご酒(ミルク割り)は、まるっきりイチゴミルクで、ジュース感覚で一気に飲めた。


◎中皿:和風シチューパイ包み

中皿は、和牛のビーフシチューをパイで覆ってあった。パイがサクサクしてて、デミグラスソースはサラッとしてるのにコクがあって、和牛、ブロッコリー、人参が入ってた。


◎ご飯:富山県産コシヒカリ
◎赤出汁:岡崎八丁味噌、ずいき、なめこ
◎香の物:京都「大こう」漬物盛り合わせ

赤出汁は、からしが入ってて、溶きながらお召し上がり下さいとのこと。

漬物は、長芋、たくあん、うり、など5点盛りで豪華。京都らしい上品な漬物だった。



ごはんは、おひつで運ばれてきた。


◎デザート:きなこアイス&大葉シャーベット

きなこアイスは、黒蜜がかかってた。アーモンドアイスに風味が似てる。大葉シャーベットは、ほんのり甘口で、香りがよくて、口の中がさっぱりとした。

■朝食
 

◎朝食(和食)


・小鉢7品
 玉子焼&黒はんぺん、冬瓜のとろろ昆布載せ
 イカ刺身、湯葉豆腐、しらす、ちりめん山椒
 エビ入り塩辛
・焼魚(塩鮭or鯵干物)&きゅうり胡麻酢和え
・ご飯、みそ汁、漬物
・生野菜&新生姜味噌
・ドリンク4種 ・フルーツ

朝食は、和食or洋食から選べた。
和食はメインが焼き魚で、品数が豊富な内容になってた。

鯵干物は、頭も骨も食べられる位パリッと焼いてあった。伊豆の特産品で、スーパーの鯵の干物とは別物。

湯葉豆腐は、湯葉と豆腐の中間的な柔らかさ。玉子焼きはほんのり甘く、黒はんぺん、わさび漬けが添えてあった。ちりめんは、甘くない京風の味付けで、山椒がピリッと効いてた。冬瓜は、とろろ昆布が載ってて、塩辛は海老入りだった。

生野菜には、新生姜味噌がついてた。料理長特製の甘口の味噌で、ドレッシングより野菜の味がストレートに感じられる。

ドリンクは、小さめグラスに入ってて、盛り合わせ風に4点(牛乳、オレンジジュース、アップルジュース、ピンクグレープフルーツジュース)。あれもこれも飲めるのはうれしい。

◎朝食(洋食)


・オムレツor目玉焼き
・トースト、クルミパン、クロワッサン
・生野菜&新生姜味噌
・コーンスープ ・ドリンク4種
・フルーツ ・コーヒーor紅茶

洋朝食は、卵料理が3種から選べた。パンは、密度ある食感で、自家製パンのよう。


食後のドリンク

和食も洋食も食後に、コーヒーor紅茶が運ばれてきた。

料理旅館らしく、洋食より和食の方が豪華な印象。

伊豆長岡温泉は、旅館にけるコンパニオン発祥の地と言われる高度成長期に、歓楽街的温泉として賑わった。日本旅館の良さ+ホテルの要素を加えた、和風モダンな旅館。東京からあまり離れてなくて、箱根や伊豆などの観光地から近くて、しかも充実した料理とあって、全国から客が集まるのも納得。

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伊豆長岡温泉 京風料理旅館『正平荘』

 静岡県伊豆の国市
 古奈256-1
 電話:055-948-1304