静岡県三島市の、箱根山西麓の国道1号沿いにあるうなぎ店。

切妻棟違い屋根の平屋建て。白壁に木枠窓がついてて、昔懐かしい佇まい。

富士の伏流水にさらした鰻を、備長炭で焼きあげている≫人気blogランキング



建物北側に5〜6台分、裏手の小屋脇に2台分程の駐車スペースがある。店をはさんで向かいには、山中城址がある。

三島市の『桜家』で20年近く努めた息子が帰ってきて、それまで茶屋だったのが平成21年4月から鰻店となった。

三島宿から箱根の関所までの区間を西坂といい、江戸時代には五ヶ新田(山中・笹原・三ツ谷・市ノ山・塚原)の5つの集落があり、ここ山中新田は、40軒あまりの茶屋や旅籠があって栄えてた。

江戸時代、『竹屋』は旅籠として、山中新田の山中城址側で営業してた。明治22年(1889)東海道線の開通、大正12年(1923)国道1号(箱根西坂道)の開通により、東海道が衰退、店を閉じたが、平成8年に現女将が、道の反対側である現在の場所に茶店として店を復活、手打そば、雲助団子などを出していた。



 山中城は、小田原城の支城で、豊臣秀吉の大軍で落城した。食事の後、山中城趾に行ったが、残念ながらこの日は雲がかかってて、富士山頂がかすかに見えただけだった。



生成りの暖簾をくぐって、店の中へ。



中に入ると、店内は横に長い形。右手は奥が厨房になってて、手前は壁際にテーブル席(2席)と囲炉裏テーブル(6席)とがある。

ようこそいらっしゃいませと、60代位の和服&白い割烹着姿の女性に、にこやかに迎えられて、どうぞといわれた席に座った。

開店直後だったので、予約を入れていなかったが、大丈夫だった。前日は、昼の1時頃来店したら、売れきれですと言われた。

 

左手は、奥がお座敷席になってて、手前は、正目の長テーブル&切り株風丸椅子が配置されてる。

神棚、囲炉裏、竹の長椅子、三度笠など、昔風の品が並んでる店内は、時代劇などにも出てきそうな雰囲気。

鰻重が出来上がるのを待って間に、客が何組か入店してきた。そのほとんどが、予約してから来店してきてて、入店後すぐに予約してた○○ですと伝えてる。この店は、予約数+αしか鰻を仕入れないため、一般の飲食店のように席を予約するのではなく、前日までに鰻(注文品も)を予約してから来店する人が多い。開店時間直後だったのに、看板に「本日は終了しました」と表示されてたのは、そういう状況によるものらしい。

囲炉裏席の奥の厨房には、鰻を調理してる様子はなく、別棟(裏手にある小屋っぽい建物)で鰻を調理してるよう。客が来店すると、女将さんは電話(内線?)で、来店した客の名前、人数などを伝えて、鰻があるかどうかを確認してた。他に、三角巾&エプロン姿の30〜40代位の女性がいて、出来上がったお重を大きめのトレイに載せて、店内へ運び込んで、客席へと運んでた。女将さん+息子さん夫婦?の3人で切り盛りしてるよう。家族経営っぽい温かな対応。

 

メニューは至ってシンプル。蒲焼きと白焼きと、それらの丼しかない。うざく、う巻き、もなかった。

席に座ると、すぐにうな重について、女将さんから説明された。松は3枚、竹は2枚、梅は小さめのが1枚半で、肝吸いは竹からとのこと。

ちょっと考えて、うな重の松¥3900、竹¥2800、梅¥2200と、白焼き丼¥2800を注文した。

 

肝焼きはないが、壁に肝の佃煮¥400が表示されてた。テーブルの上には、香りのいい山椒とタレが準備されてた。

30分程待ってたら、うな重、白焼き丼、肝吸いが運ばれてきた。うな重3種は、色形の異なるお重に入ってた。



うな重(松)¥3900

うな重(松)は、松の図柄の大きめのお重に入ってた。蓋を開けると、鰻3枚が、ごはんの上に、少し重なるように横横縦に、載せてあった。

鰻は、焼き色に若干ムラがあるものの、表面が堅めに香ばしく、そのすぐ下の身は、ふっくらジューシーに焼けてた。身が縮むことなく、うっすら表面だけがしっかりと焼けてるのは、備長炭焼きの鰻ならではの特徴。皮がゴムのような食感なガス焼きの鰻とは別物。

鰻は、とろけるように柔らかな食感。肉で言えば、肉汁がしっかり閉じ込めた状態で焼き上がってる。

タレはすこ〜し甘さ控えめのもの。鰻には程よく絡んでて、ごはんには控えめにかかってる(ごはんがベチャッとすることなく)。柔らかな鰻と少しかために炊いてあるごはんとの相性がよく、とても上品な味わい。

これに、肝吸い、漬物(たくあん、壬生菜、奈良漬)が付いてる。肝吸いは、三つ葉、麩入りで、ほんのりと柚が効いてて、肝は立体的な食感で苦みなく鮮度も良かった。


うな重(竹)¥2800

うな重(竹)は、(松)より若干小さめのお重に入ってた。ごはんの上には、鰻2枚が乗ってて、十分なボリューム。むしろ、(松)より、こっちの方が、ごはんと鰻との量のバランスがとれてて、うな重らしい。

三島市の『桜家』とうな重が確かに似てた。『うなぎ桜家』のHPを見て値段を比べたら、この竹家の方が低価格であった。こちらの方がコストパフォーマンスはよさそう。



うな重(梅)¥2200

うな重(梅)は、少し小ぶりな朱色のお重に入ってた。小さめの鰻とのことだったが、そんなに大きさや厚みに遜色はなく、鰻の香ばしさ&ジューシーさは全く変わらないので、年配の人や小食の人ならこれでしっかり満足できそう。吸い物は肝吸いではなく、吸い物だった。



白焼き丼 ¥2800

白焼き丼は、丸いお重に入ってた。控えめに蒲焼きのタレをかけたごはんの上に、鰻の白焼き2枚が乗ってて、これに、おろしわさび、肝吸い、漬物が付いてて、醤油が添えてあった。

タレを絡めて焼いていないので、蒲焼きより焦げめは控えめだが、表面は固めに焼けてて香ばしく、身はふっくら柔らかだった。甘からいタレが絡んでないので、鰻の味そのものをシンプルに味わえる。添えてあったワサビは、鮫皮でおろしたようなキメ細かな本わさびで、風味が良く、ピリッとした辛さと共に、鰻の風味を引き立ててた。わさび&醤油で食べるのもいいし、テーブル上にあったタレで食べると、蒲焼きよりあっさり薄味仕立ての鰻として味わえた。白焼きが、焼き魚みたいだと思ってたのが、誤解だったということがよくわかった。自分風にアレンジして鰻が食べられて、普通の蒲焼きより、うなぎの味を楽しめた。

箱根に近く、箱根観光のついでに、うなぎを食べたり、弁当を買って来たりと、便利に備長炭焼きのうなぎを食べられる店。昼のみの営業だが、週末などは午後1時頃には売り切れてしまうことが多いのも納得できる。おすすめ度7.3。

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■ 『鰻工房 竹屋』
 静岡県三島市山中新田34

 電話:055-985-2307
 営業:11:00〜
  各日売り切れじまい
 定休日:火曜、水曜