東京、本郷にある昭和37年(1962)開店の老舗とんかつ店。水道橋駅東口近くで、道を挟んで後楽園遊園地がある。

白山通りに面したビルの外壁に、大きな木製看板が掛かってた。

コンセプトは、「とんかつ」を「ご馳走」として客に楽しんでもらうこと。開店当初から、低温の植物油でじっくりと煮るようにとんかつを揚げてる≫人気blogランキング



看板が大きく、水道橋駅東口を出てすぐの水道橋交差点からは、目を凝らせば7階建ビルの店の看板が見える。



全国に多数ある『かつ吉』の源であり、秋葉原の『とんかつ丸五』もここから独立した。また、三島由紀夫、川端康成などが訪れていた。

創業者は、吉田吉之助。その名は、その父、岩谷松平の先師、西郷吉之助からつけられたとのこと。

日本橋三越前に、とんかつ『かつ吉』を創業(1960年頃?)。その後、1962年、水道橋に『かつ吉』(この店舗)、二子玉川に『菩提樹』(1963年頃?)、玉川高島屋に『かつ吉』(1969年頃?)をオープンし、4店を束ねていた。

創業者は、二二六事件に加わったり、満州に行ったりと、波乱万丈の人生だったことが、店のHPの資料館に載せられている。

1981年頃、次男が2代目となった。『かつ吉』1号店である日本橋店は、そのまま存続してるが、現在は、直営店ではなくなってしまったよう。

   

創業者の父、岩谷松平は、明治の煙草王と言われた更に破天荒な人物で、巨万の富を得て、広大な邸宅に20人も愛人と同居し、子供が53人いた。

  
  銀座の岩谷商会(2階建)

銀座に、間口25間(約46メートル)もある巨大な煙草店を開き、屋根〜柱まですべて真っ赤に塗った。自ら“大安売の大隊長”と名乗り、赤いフロックコートを着用し、赤い馬車に乗って文明開化の銀座レンガ街を走り回って、銀座の名物だったという。

   

舶来煙草の半値という安さと、当時珍しかったヌードポスターやヌード写真を使い、国産の紙巻煙草「天狗煙草」を爆発的に売り上げた。



入口付近にメニューがいろいろ掲示されてた。ここを入り、幅狭の屈折階段を下りて行くと地下に店がある。

 

途中の踊り場には樽酒などが置いてあり、階段を降りきると、石や木をあしらった箱庭のようになってて、この左手に玄関がある。

重厚感ある格子扉を開けて、店内へ。



入ると、左手がレジで、その前は古い丸火鉢のテーブル、長いす+丸太を削ったような1人用椅子などが配置されてる、待ち合い風空間になってた。

 

レジ横には、川端康成や三島由紀夫の写真入りの店の記事が掲示されてて、丸火鉢のテーブルの上には、でっかいメニュー(縦40cm×横70cm位)が置かれてた。

レジのところにいた従業員に、少々お待ち下さいと言われ、壁際の長いすに座ってちょっと待ってたら、従業員にこちらにどうぞと、レジを回りむように正面〜左手へと進んだ奥にある客席へと案内された。



客席は、横に長い長方形型。ビルの入口や階段が狭めだったことから、こじんまりとした店かと想像してたが、かなり広く、客席数も多い。

レジ&待ち合いスペースの奥(間仕切りを隔てた奥)が、多角形っぽい大テーブル席(14席)になってて、1人など少人数用の席として使っているよう。



大テーブル席の左手には、横に走る2本の通路を間に、小上がり席とテーブル席が3列に配置されてた。

天井の縦横に梁、緩やかに空間を仕切ってある大小の柱材と飾り棚など、年季の入った古材で構成されてる店内は、飾り棚に並べられた江戸中期〜明治初期の約2000個もの伊万里焼の蕎麦ちょこに彩られ、岩谷松平のゆかりの品々が掲げられてて、明治〜大正時代にタイムスリップしたような雰囲気。



テーブルの上に、メニューが置かれてた。



でっかいのがグランドメニューで、他にランチメニュー、季節メニューなどがあった。



アルコール類も、ビール、日本酒、焼酎、ワインなどそろってた。

ちょっと考えて、グランドメニューから、銘柄豚ロースかつ定食(120g)¥1900、銘柄豚ひれかつ定食(120g)¥2000、串かつ定食¥1900、柳川風かつ丼(ロース)¥1500に、季節メニューのかきフライ(大粒1個)¥380を追加して注文した。

テーブル脇の壁に、風鈴型の呼び鈴が付いてて、チリンチリン鳴らすと、従業員が席まで来てくれる。どの席が呼び鈴を鳴らしてるのか判りにくいようで、呼び鈴をならしても、何回かは従業員が通り過ぎて行ってしまった。

男性や女性の従業員が行ったり来たりしてるので、通り過ぎても、手などで合図したり、再び呼び鈴をならせば、すぐに席まで来てくれた。

  

テーブルの上には、調味料(特製とんかつソース、、わじまの海塩、和風ドレッシング)が準備されてた。特製とんかつソースと和風ドレッシングが壺に入ってて、瓶入りのが超辛口ソース。

 

取り皿&箸も準備されてた。
ドレッシングは、テーブル上に予め準備されてた和風ドレッシングの他、ごま、玉ねぎ、梅じそマヨネーズもあって、これらは希望すれば従業員が運んで来てくれるよう。


3種の漬物

席に座った時には、テーブルの上には大きめの四角皿に入った漬物3種(大根、白菜キムチ、野沢菜)が並んでて、これにはちょっと驚いた。


野菜サラダ

注文後、すぐに大きめの木製の器に入った野菜サラダが運ばれてきた。

千切りキャベツ、人参、わかめ、大根、きゅうりをざっくり混ぜてあるサラダで、各自取り皿に取り分けて食べるようになってる。お代わり自由のよう。


かきフライ(大粒1個)¥380

先にかきフライが運ばれてきた。

四角皿の笹の上に載せあって、千切りキャベツ、パセリ、レモンが添えてあり、別容器でタルタルソースが付いてた。

かきフライは大きめで、ふっくらと揚がってたが、1ヶ¥380とはちょっと高めかも。


銘柄豚ロースかつ定食(120g)¥1900

銘柄豚のロースかつは、大きめの四角皿の竹簀の上に盛り付けてあった。

粗めのパン粉を衣に、きつね色に揚げてあって、低温というより、中温とんかつって感じ。4つにカットされてて、肉は厚みがあるものの、120gにしてはちょっと小さめな印象。

衣はサクッとした食感。衣にはうっすらと光る油をまとってて、若干の油っぽさがある。


銘柄豚ひれかつ定食(120g)¥2000

銘柄豚のひれかつは、大きめの四角皿の竹簀の中央にちょこんと盛り付けてあった。

厚みのある俵型をしてて、3つにカットされてて、小さめに感じた。

衣はきつね色に揚がってて、厚みのある肉は真ん中あたりがピンク色が残る位の加減で揚げてあった。

うっすら肉汁がしみ出てた。


串かつ定食 ¥1900

串かつは、大きめの四角皿の竹簀の上に、2本(ヒレ肉&野菜の串かつ、魚介&野菜の串かつ)の串カツが、串を抜いて縦に2つに切った状態で盛り付けてあった。

1本は、かぼちゃ・ヒレ肉・ピーマン・ヒレ肉・玉ねぎ、の順に串打ちして揚げてあって、もう1本は、茄子・ほたて貝柱・しいたけ・サーモン・長ねぎ、の順に串打ちして揚げてあった。

魚介の方は、串かつっぽくなかったが、いろんな素材が組み合わせてあって、バラエティー豊かな個性的な串かつだった。


柳川風かつ丼(ロース)¥1500

柳川風かつ丼は、かつ煮がごはんとは別盛りになってて、浅鉢風の器で運ばれてきた。

いちばん下には、色白のつゆと玉ねぎ&うどんが入ってて、その上に、ロースかつ(食べやすい大きさに切ってある)を載せ、とろろをかけて、三つ葉とたっぷりの刻みのりがトッピングされてて、別皿で刻みねぎが添えてあった。



白いご飯or青しそご飯

定食もかつ丼も、ごはんが、白いごはんor青しそご飯か選べた。

白いご飯は、ふっくらとしてて、とても上手く炊けてて、青しそご飯は、光沢があって、青しそが混ぜ込んであるのに、ご飯が潰れてなくて、ご飯の1粒1粒が判るような立体的な食感で、青しその香りが口の中にいっぱいに広がった。

みそ汁は、濃い色の赤だしで、豆味噌らしい渋い味わい。なめこと小さい賽の目切りの豆腐が入ってて、小ねぎが散らしてあった。


食後の紫蘇茶

食後は、新しいおしぼりと、紫蘇茶を運んできてくれた。紫蘇茶は、塩分と酸味がほどよく、面白い味。

値段を考えれば、とんかつ自体のボリュームが控えめなので、若い男性など、肉そのものをしっかり味わいたい人には向かないが、漬物、野菜サラダ、ご飯&赤だし、紫蘇茶など、コースメニュー風にとんかつを取り巻く品々がいろいろ味わえて、「とんかつ」を「ご馳走」として客に楽しんでもらうコンセプトの高級とんかつ料理店の感じ。和服姿の年配女性など、リッチな雰囲気の客で賑わってたのも納得。

応援クリック、お願いします♪ → ブログバナー4

とんかつ『かつ吉』水道橋店
 東京都文京区本郷1-4-1 全水道会館 B1F
 電話:03-3812-6268
 営業:11:30~22:30
    (LO21:30)
 日祝は11:30~22:00
 定休日: 無休
(12/31〜1/2は休み)