日立市の、鵜の岬に近くにある手打ちそば店。サラリーマンだった店主が、平成9年にオープン。

黒い縦羽目板張りのコテージ風建物。外壁に、赤紫色の「常陸秋そば」の幟が掛かってた。

冬らしい冷たい風の中に潮の香りがして、海に近い高台であることがわかる≫人気blogランキング



国道6号の小貝浜入口の交差点に『傳六』の入り口の看板があり、そこから入ってわりと急な坂道を上がって左折して行くと、造成された閑静な住宅地『小貝浜団地』の中にちらっと看板が見えた。



この団地『小貝浜団地』の中程にある小貝浜児童公園の斜め北側にある。曲がり角のところにあるが、すぐ前に来ないと目立たない。店舗脇に2台分の駐車場があった。



店舗から40m程離れた、小貝浜児童公園の西側に3台分の駐車スペースがあると店頭に表示されてた。

樺茶色の暖簾をくぐり、サッシの玄関扉を開けて、店内へ。



中に入ると、そこは半畳ほどのコンパクトな玄関スペースで、そこで準備されてたスリッパに履き替えて、靴を棚に収納してから客席へと上がった。

玄関の左手は、テーブル席(4人×2、2人×4)の配置された客席になってて、奥(暖簾の奥)が厨房になってた。思ったよりも席数は少ない。

市松柄の床と、藁(わら)の混じった土壁には、濃紅(こいくれない)の模様が描かれ、細長いスリムタイプの窓が配されてた店内に、ダークな色調のテーブルが置かれてて、レトロモダンな雰囲気。



玄関入ってすぐ奥(ガラス窓の向こう側)がそば打ち部屋になってる。

来客があると店内に、一般的なチャイムではなく、店内に鳥の声(さえずり)が流れるシステムになってる。厨房から、50代位の女性が出てきて、元気にいらっしゃいませと迎えられて席に座った。



メニューはわりとシンプルで、写真付きでわかりやすい。

十割そば¥800、ニ八そば¥700、鴨せいろ¥1200などを注文した。

厨房から出てきた頭巾(帽子?)をかぶった、60代位のやさしそうな男性が店主のよう。通路を介して、向かい側にあるそば打ち部屋の引き戸を開けて、中に入ると、収納棚(or冷蔵庫?)から透明蓋付きの弁当パックを取り出し、3つ重ねて手に持って、厨房へと持ち帰った。

厨房から、ジュージューと炒めものをしてるような音、タイマーの鳴る音、氷の音などが聞こえてくた後、黒いお盆で、出来上がったそばが運ばれてきた。



十割そば ¥800

十割そばは、朱塗りの丸い器に載せた簀の子の上に、こんもりと盛り付けて、薬味(さらしねぎ、わさび、だいこんおろし)、そばつゆ、大根の甘酢漬けが添えてあった。ボリュームはたっぷりだった。

そばは、うっすら緑かかった色の、太さ2mm強の細打ちそばで、長さは20cm以上あって、手打ちらしく若干太さにバラツキがある。食べてみると、仕上げに冷水(氷水)が使ってあるので、そばがキュッと引き締まってて、表面に水分をまとって、みずみずしく滑らかな食感で、そばの香りが豊かに感じられる。

食べ進みにつれ、表面の水分が吸収され、十割らしい少しざらざらとした食感に変わっていく。

そばつゆは、最初に、魚系の濃いめの風味漂う、しっかりとした塩分のある醤油味のそばつゆで、少し遅れて、落ち着いた甘さが付いてくる、濃い味仕立てのそばつゆで、控えめにつけて食べるとそばの甘さ、香りを引き立てる。



ニ八そば ¥700

二八そばは、十割と太ささ同じ位の細打ちそばで、若干色が薄めで、長さはやや長く、十割より堅めの食感で、香りもいくらか控えめだった。

表面がつるつるとしてて、長さがあるので、のどごしよく豪快にすすって食べられた。



鴨せいろ ¥1200

鴨せいろは、二八そばとの組み合わせで注文。

四角いセイロの上に、そばを広げるように盛りつけてあって、これに、温かい鴨汁、薬味(さらしねぎ、山椒)、大根の甘酢漬けが添えてあった。

鴨汁は、表面に鴨らしい粒子の細かい油分と長ねぎ(5cm縦切り)が浮いてて、その下に鴨のロース肉5枚が入ってて、甘さの程よく効いた、しっかりめの味付けになってた。

鴨肉は柔らかく、注文受けてから、調理したよう。具がシンプルで、さらにはサラダ油など余計な油が使われてないので、鴨本来の味がストレートに感じられる。

夫婦2人で切り盛りしてる店かと思ってたら、正午前になると、パートっぽい40代位の女性が玄関から入ってくると、厨房に直行し、エプリンをつけながら客席側に姿を現すと接客をはじめた。、店主夫妻+接客係の女性の3人で切り盛りしてるよう。


そばの実春巻 ¥600

春巻は、揚げたての熱々で、空気を含んでふっくら膨張してた。通常の春巻きより大きく、縦10cm×横6cm×厚み4cm位のサイズ。敷紙の上に、チーズが流れ出してた。

パリッと揚がった皮の部分を、お箸で半分に割ってみると、中には、鰻の蒲焼き、チーズ、そばの実(ゴマみたいに見える)が入ってた。

食べてみると、パリッとした皮とトロリととろけたチーズとが、一体化しながら、鰻を包み込んでて、濃厚なチーズと甘しょっぱいタレの絡んだ鰻と口の中で混じりあって、和洋折衷の香ばしい春巻きになってた。そばの実は、ポリポリ、サクサクとしてて食感のアクセントになってた。

半ば液状となったチーズは重力によってゆっくりと下の方へと移動してるので、下になってる部分の方がチーズを多く含んでて、より味わいが濃厚で、こってり味が好きな男性に受けそう。



だし巻き玉子 ¥500

だし巻き玉子は、自家製のつゆを使っているとのこと。縦7cm×横15cm×厚み2.5cm位の大きさで、鮮やかな黄色に焼き上げてあった。。3つにカットしてあって、粗めの大根おろしが添えてあった。

断面に白い部分があって、一見すると分離してるようだが、これは卵を攪拌しすぎてない証し。攪拌しすぎてないので、玉子にコシがあって、立体的に焼けてる。卵白がうっすら半熟な部分や、スポンジっぽく細かい空気穴があるので、卵白はとろりと滑らか。空気穴には、甘さ&しょっぱさの味バランスのとれたダシをしっかり含み、そのまま食べるとちょうどいい味付けになってた。子供でも食べやすい上出来のだし巻き玉子。粗めの大根おろしに、ちょっぴりお醤油をたらして一緒に食べれば大人の味の玉子焼きになった。


天ぷら盛り合わせ ¥600

天ぷらは、海老2ヶ、なす、かぼちゃ、ししとう、しめじび6点盛り。色白の衣で、サクッと揚がって、大根おろし&しょうが、天つゆが付いてた。これで600円とはお得価格。



そば掻き ¥800

そばがきは、長径14cm位の厚みのある葉っぱ型に形成し、お皿に載せてあった。葉脈を刻み、上にわさびをたっぷり載せて、そばつゆ、大根の甘酢漬けが添えてあった。

細かめに惹いたそば粉が、控えめの水で練ってあって、少し乾き気味で、重量感のある素朴な食感で、そばの風味が柔らかに感じられた。


そば湯

そばを食べ終えた頃、熱々のそば湯が運ばれてきた。ほんのり白濁したサラサラとしたそば湯だった。

どのメニューも、お手頃価格なのに予想したよりボリュームたっぷりで、お腹いっぱいになってしまった。家庭的な雰囲気と良心的な価格で、こんな値段で大丈夫かと思ってしまった。そば好き、そばの普及活動をしてるような店。今時の店のような派手な演出は全くないが、実直に作った蕎麦が、お手頃価格でたっぷり食べられる店。小さい店で、丁寧に料理しているので、混んでるときは時間がかかりそうだが、日立市の鵜の岬方面に行って、ゆったり時間がある時に立ち寄るのが良さそう。おすすめ度は、7.1。

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■手打ち蕎麦『傳六(でんろく)』
 茨城県日立市川尻町2-15-1

 電話:0294-43-2224
 営業:11:00~14:30
 定休日:月曜日
(祝日の場合営業、翌日休み)