新潟市の明治27年(1894)創業の老舗鰻店。この場所に移転したのは昭和32年。古町の新潟三越7階に支店を持つ。

入母屋造りの2階建て。外壁が煤けて灰色がかってて、年期の入った古めいた雰囲気。新潟育ちの私は、子供の頃から鰻店といえばこの店だった。

静岡浜名湖産の厳選した大ぶりの鰻を、信濃川の清流に1ヶ月余り泳がせて身をしめてるとのこと。それを白焼をしてセイロで蒸してから炭火で焼き、何年も鰻を浸してエキスがしみ渡った秘伝のタレにつけて調理してる≫人気blogランキング



新潟市役所の約100m西、白山駅の北東500mに位置にある。

駐車場は、少し離れたところに2台分。店の前の通りを40m西に進み、一方通行の路地を北に入って30m進んで左手の共同駐車場の中にある。

建物西側と北側の2方向に入口がある。



店頭に昼限定メニューが掲示されてた。北側の入口から店内へ。



店内は、正面〜左手が広めの厨房とそれに面したL字型のカウンター席(8席)になってた。厨房で働いてた男性2人と客席側にいた接客係の女性2人に、いらっしゃいませとにこやかに迎えられて、奥へどうぞと、右手壁際からまっすぐに伸びる通路から奥へ案内された。



通路の奥は、一画に手水鉢(ちょうずばち)のある風流な造りの土間になってた。打ち水のされてるこの土間で靴をぬいで、左手にある座敷席へ。



お座敷は縦に細長く、15畳位の広さ。中央に堀りごたつ式の細長いテーブルがあって、竹製の置物で仕切って相席できる大テーブルとしても使ってるよう。肌寒い季節になってきたので、薄手の炬燵掛けがかかってた。

 

昼限定メニューは、お手頃価格。鰻重にきも吸は付いてないとのことだったので、+¥100で追加した。

先に、小鉢と漬物が運ばれてきた後、すぐに料理が運ばれてきた。


昼限定メニュー、鰻重(鰻半身)¥1700

鰻重(鰻半身)は、小ぶりな四角いお重に入ってた。

蓋を開けると、ごはんの上には、器の幅とほぼ同じ大きさの鰻がしっかりと載っていた。鰻は大きく2ヶ所程、身割れがあるものの、半身ながらボリュームのある鰻重だった。

鰻は、厚みがあって、ふっくら柔らか。脂がのっていて口の中でとろけるようにほどけていく。
泥臭さなど全くなく、鰻独特の風味が濃厚。皮との境界部分は、血合い風にほんのりピンク色を帯びてて、鰻の質と鮮度のよさが感じられる。

蓋を開けた時は、身割れを見て不満だったが、この柔らかゆえなのがわかって、食べ始めたら満足できる内容であった。

ごはんは、炊きたて。すこしかために炊いてあって、甘さ控えめでほんのり酸味を含んだようなシャープな味わいのタレが適量かかってた。


昼限定メニュー 鰻入り玉子丼 ¥1200

鰻入り玉子丼は、玉子を醤油色の薄い関西風の出汁でとじて、3〜4cm程の大きさに切った鰻が5ヶほど載せて、三つ葉の茎が散らしてあって、これに、小鉢、漬物が付いてた。

薄味仕立てかと思ったが、しっかりめに味がついてる、鰻は、量は控えめながら、鰻重と同質のものが使われてて、柔らかで鰻の味も濃厚に感じられる玉子丼だった。


きも吸 ¥100

きも吸は、白髪ネギが散らしてあって。肝はしっかり焼いてあって、苦みなく香ばしく、上品なきも吸いになってた。これで¥100とは、とても良心的で、お得価格。

テーブルの向こう側には、年配のカップル客が座っていて食事をしてた。女性は昼限の鰻重、男性は蒲焼御飯¥3800を食べてた。




蒲焼御飯 ¥3800

蒲焼御飯が、この店の看板料理のよう。

厚手の大皿に載せて、串を刺したままの鰻の蒲焼きが運ばれてきて、これに、ごはん、きも吸い、漬物、おひつ、タレが付いてた。

鰻の蒲焼は、表面香ばしく、中の身はふっくら柔らかく、肉汁&脂分をたっぷりと含んでて、とても味わい濃厚。山椒は、舌先がピリッとしびれるくらい、辛みが効いてて、かけると味が引き締まった大人の味で楽しめる。

昔風の木製おひつの中には、お替わりの御飯が準備されてた。少し固めに炊いてあるごはんは、ふっくらとしてて、炊飯器で保温されてるごはんとは違って、炊きたて香りがした。

鰻といえば、関東では鰻重が主流だが、さすがお米の産地。鰻重だと、ごはんがタレを含んで、水っぽくなるし、食べやすいが、ごはんそのものの味ではなくなる。

こうやって別盛になってれば、ごはん&鰻、ごはん&漬物、ごはん&きも吸、と、他の食材といろいろ組み合わせて、その食べ合わせを考えながら食べられる。味の付いたごはんが、ニュートラルな状態ではなく、いつも白い御飯が口の中をニュートラルにするので、食べ進むにつれて、濃い味に慣れてさらなる刺激を求めることなく、食べ始めた状態と同じ感覚を保ちながら、食事することができる。

うなぎをおかずにごはんを食べたり、ごはんの上に鰻を載せてたべることもできる。タレの量を調節しながら自分好みに食べられるので、さすがはごはんの美味しさを知る新潟らしい。関東で食べたうな丼とはひと味違う。この店では蒲焼御飯がおすすめ。


鰻ぞうすい ¥2000

鰻ぞうすいは、土鍋で沸騰した状態で運ばれてきた。

土鍋の中の雑炊は、醤油色のほとんどないスープで煮こんであり、薄色で艶々と光ってた。仕上げに、玉子を流し込んで、三つ葉の茎を散らしてあるので、入ってる鰻が見えない。うっすら半熟に固まった玉子を少し脇にずらすと、その下にようやく鰻が発見できた。

雑炊の中には、ごはん、人参、椎茸+餅も小さめのが3ヶほど入っていて、半分とろけながら、他の具材とからみ、スープに適度なとろみがついて絡んでた。大ぶりのうなぎの味もしっかり楽しめて、小さい子供でも食べられそう。

この店は、メニューに応じて大小の鰻を使い分けるのではなく、選別した大ぶりの鰻のみを使用しているよう。鰻は大きさによって、味も食感も変わるので、大小の鰻を使ってる店では当たり外れがある。この店は、どのメニューも、脂ののった上質の鰻が使われてるので、当たり外れなく、安心して鰻を味わうことができる。

建物は古めいていて、老舗の風格というより潰れかけてるような印象で、最初見たときは気持ちが引いてしまったが、うなぎを食べてから考えると、店の外観よりも料理に金をかけてるのが解った。

静岡浜名湖産の厳選した大ぶりの鰻を使っていること、炭火焼きであること、信濃川の清流に1ヶ月余り泳がせて身をしめてから調理してることなど、この店は料理に強くこだわってるが、店内にもメニューにもほとんど表示されていない。関東の店なら必ず目立つように表示して、イメージ作りに力を入れるのとは真逆である。

女将さんらしき女性が、鰻の値段は上がっているが、それに伴って値段は上げられませんから、と常連らしき男性客と談笑してた。きも吸いが¥100でという、安い定食や並の値段であること、通販は送料無料になることなど、体裁を気にせず、良心的に経営してるよう。

夜は他にもメニューがあるようで、飲みに行くのもよさそう。2階にも席があるそう。

建物にもうちょっと手を入れてもよさそうな気がするし、自己アピール下手の新潟ならではの奥ゆかしさゆえ、誤解を受けそうだが、関東のうなぎ店とは少し違った新潟らしいうなぎご飯が食べられる。おすすめ度は、7.7。

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うなぎ『瓢亭』 新潟県新潟市中央区白山浦1-414-7

 電話:025-266-5407
 営業:11:30~14:00
    17:00~21:00
 定休日:日曜、祝日