長野県戸倉上山田温泉にある、創業50年の旅館。

自宅のようにくつろげる『住む宿』がコンセプトで、趣の異なる8室から成る。旬の食材を用いたの会席料理が自慢の、こぢんまりとした温泉宿。

10数階建て高層ホテルの南隣にあり、土蔵風なまこ壁が巡らしてある白壁造りの2階建て≫人気blogランキング

長野県の千曲川河畔にある戸倉上山田温泉は、戸倉温泉、上山田温泉、新戸倉温泉の3つの温泉の総称。

■戸倉温泉
 千曲川の中洲に明治26年(1893)開湯
 その後、川の氾濫により左岸に移る
■上山田温泉
 千曲川の左岸に明治36年(1903)開湯
■新戸倉温泉
 千曲川の右岸に昭和13年(1938)が開湯

と歴史は100年余りと浅いが、54ヶ所の源泉からの湧出量は毎分8332リットルで、長野県でトップクラスの湯量を誇る。善光寺詣りの精進落としの湯として知られ、50軒程の宿ががある。

 

建物のすぐ東側に千曲川が流れる。散歩がてら土手まで行くと、川岸の緑地でゲートボールなどをしてる人々の姿が見えた。土手からは、高低の木々に覆われてて、どこに旅館があるのかわかりにくい。



南側の木々の間に設けられた小道を迂回するように進んでいくと、生成りの暖簾がかかってて、ここをくぐると、右手に4枚引戸の玄関がある。

 

玄関前は、金魚が泳いでる池風の水たまりがあり、大きめの敷石が配置されてて、その上を歩いて行く。狭いながらも、風情漂うアプローチになってる。



玄関入ると、正面奥の壁の一画が水槽になってて、その中で大きな錦鯉が雄々と泳いでる姿が目に入る。この手前左手がコンパクトなフロントになってた。

 

和服姿の30代位の細身の女性に、いらっしゃいませと迎えられて、靴を脱いで上がると(スリッパはなく、宿内は素足で歩く)、すぐ右手にあるラウンジ(=待ち合い風のスペース)へと通された。

ラウンジは、囲炉裏席とテーブル席、窓際にはカウンター席が配置されてた。

 

ここで宿帳を記入してると、先におしぼり、自家製杏漬けが運ばれて、続いて、点てたての抹茶が運ばれてきた。抹茶を飲みながら、浴衣を選んで、ほっと一息ついた後、部屋へと案内された。



部屋は、10帖和室+広縁+ツインベッドルーム+内風呂付き。

和室は格天井と、床の間の一画は石垣様の飾り壁になってて、重厚感ある雰囲気。

内風呂は温泉ではないので、館内にある3つの浴場(内湯&露天、内湯、貸し切り風呂)へ行った。中浴場位の凝った造りの浴場で、貸し切り風呂も無料とのこと。ゆっくりと湯につかって、旅の疲れを癒す。

部屋に戻ると、間もなく食事の時間となった。



食事は、別室に準備されてた。床柱が立派な30帖程もある大広間へと案内された。



きらびやかなテーブル上には、記名入りの献立表が添えられてた。

◎夕食

食前酒:自家製花梨酒
先附:無花果ぶどう酒寄せ、晒し鯨
向附:蛸マリネ

半月盆には、食前酒、先附、向附が準備されてた。

自家製花梨酒は、ほんのりとした甘さ&苦みがあって、体に良さそう。

先附は、辛酢味噌の上に、ゼリー風の無花果ぶどう酒寄せ、晒し鯨を重ねるように盛り付けてあって、涼やか&さっぱりとした料理。

向附は、蛸マリネで、蝶の形に飾り切りした人参が添えてあって、優雅な演出。


(左)日本酒 純米辛口姨捨正宗 ¥892
(中)グラス生ビール  ¥630
(右)川中島桃ジュース ¥315

生ビール、日本酒、ジュースなどを追加注文。

日本酒は、千曲市の蔵元:長野銘醸の姨捨(うばすて)正宗という銘柄。この銘柄にぎょっとして、映画『楢山節考』を思い出してしまった。

料理は、タイミングよく運ばれてきた。


吸物:湯葉饅頭

湯葉饅頭は、ふんわり柔らかで、蟹身と青柚子がトッピングされ、ジュンサイ入りの薄味仕立てでの上品なだしがはってあった。


造里:鮎洗い、鯛、縞鯵、鱧

お造りは、4種盛りで、どれも鮮度が良かった。

鮎の洗いを食べるのは初めて。身が締まってて、くさみなく、食べやすかった。


八寸:涼風のおもてなし

八寸は、穴子笹すし、鮎一夜干し、脱皮した海老の木の芽焼き、小うり&サーモンのスイカ仕立て、こんにゃく&里芋の田楽、白子、巨峰のおろし和えなど8品が、いろんな葉っぱをあしらって、きれいに盛付けられてた。



名物:信州牛とたっぷり夏野菜、炭火焼き

焼物は、信州牛と夏野菜で、炭が入った四角い卓上コンロが運ばれて、金網の上に、朴葉ごと肉を載せ、焼きながら食べるようになってた。

よくある固形燃料とは違い、肉や野菜がジューシーに香ばしく焼けて、味にも甘みがある。




煮物:冷し鉢 信州丸茄子揚げ煮

煮物は、信州丸茄子揚げ煮で、ガラスのお皿に、白い玉ねぎソースを敷き、丸茄子揚げ煮を載せ、海老、きぬさや、鮑がトッピングされてた。よくひやしてあった。ソースがホワイトソースっぽくて、煮物というより、洋風な料理になってた。


食事:五穀御飯 更科棚田米
止椀:赤味噌仕立て
香の物:五種盛り

御飯は、五穀御飯でゆかりがかかってた。香の物は、茄子、大根、白菜など5種盛りで、漬物好きの私には肉料理よりうれしかった。

御飯もどうぞと、おひつで白い御飯が運ばれてきた。おひつの蓋を開けると、湯気が立ち上って、まさに炊きたてのごはんだった。


水菓子:青梅ゼリーとカットフルーツ

食後の水菓子は、ワイン風グラスで運ばれてきた。

下には、青梅が丸ごと1ヶ入ってる、透明なゼリーの層があって、その上には、メロン、すいか、ぶるベリーなどの果物が宝石風にトッピングされてて、貴婦人のデザートって感じ。

夕食は、珍しいメニューが多く、ボリュームもたっぷりだった。

◎朝食


朝食は、ラウンジor部屋食か選べたので、夕食と同じ部屋でとる事にした。

テーブル上には、料理1品(湯葉巻き)、漬物、丸籠(蓋付き)と、おしぼり、お水などが準備されてた。

 

席に座ると、すぐに、蕎麦粥、みそ汁、茶碗蒸しが温かい状態で運ばれてきた。

丸籠の中には、大小の器に入った、ごま豆腐、もずく、魚の西京焼、など7品の料理が並んでた。



蕎麦粥を食べ終える頃、朱塗りのおひつで、炊きたての御飯が運ばれてきた。


リンゴジュース、牛乳

飲み物も付いてて、トマトジュース、リンゴジュース、牛乳から選べた。


フルーツ

食後、フルーツが運ばれてきた。


コーヒー、紅茶

朝食の最後には、コーヒーと紅茶が運ばれてきた。

この温泉街は、歓楽的色彩の濃いと認識されてるが、この旅館は8室だけの小さな宿なので、隠れ家的雰囲気。

大規模なホテルや旅館は、お風呂が大きく、娯楽設備は整ってるが、料理は外注だったり、ありきたりの料理のことが多い。会席料理など、料理を重視したい場合には、客席数が20程の宿の方が、質もよく、手の込んだ上質な料理が楽しめる。総部屋数8室というのは初めてだったが、隅々まで配慮が行き届いてて、珍しい料理が堪能できた。大きな温泉旅館もいいが、こういう小さな旅館はのんびり風雅な雰囲気に浸れた。

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戸倉上山田温泉『千曲乃湯 しげの家』
 長野県千曲市大字戸倉温泉3055
 電話:026-275-1713