柏市にある、炭火焼のうなぎ店。白壁をタイルで縁取りしたような、ちょっとモダンな2階建てで、縦格子で覆われた1階が店舗になってた。

玄関脇には、丸型の桶(=たてこみ桶)が9個程積み重なり、その上から桶へ水が流れ込み、鰻の泥臭さを消し、身を引き締める「たてこみ」と呼ばれる作業が行われてて、都会の鰻店ならでは雰囲気。

また、玄関前には保冷ボックスを積んだバイクが止まってて、出前もしてるよう≫人気blogランキング



柏駅の700m程南東の柏銀座通りにある。ここは、柏神社の脇から伸びる狭い一方通行道路で、駅近くは、マンションなどのビル街だが、少し離れると、飲食店の他、手焼せんべい店、掛軸・額装の店、豆腐店など、昔風の店が混じって軒を連ね、昭和の下町情緒が漂う。

柏駅前で50年の歴史を持つ老舗鰻店。以前は、柏そごうの南側交差点の向かい側にあったが、柏駅東口の再開発によって、平成13〜14年頃閉店したよう。平成17年6月に、場所を移してオープンした。

窓の2カ所に、天然鰻の貼り紙がしてあって、この日は天然鰻も入荷してたよう。期待しながら、ガラスの玄関扉を開けて、店の中へ。



縦に長い長方形型の店内は、和風モダンな雰囲気。左手の壁寄りにテーブル席(4人用×4)が配置されてて、広めの通路と天井から下がってる大きい暖簾4枚を隔てて、右手が厨房になってた。さらに右奥にもテーブル席が2つあるようだった。

いらっしゃいませと、40代位の女性ににこやかに迎えられて、空いてる席に座った。

 
 
 

メニューの最終ページに、天然鰻と大きく表示されてたので、接客係の女性に尋ねると「ありますよ」とのこと。

少し考えて、天然鰻¥6500〜7000(値段はその鰻の重さによって決まる)、生むし鰻重 ¥2600、鰻重(特重)¥2400、肝焼き(2本)¥600、うざく¥800を注文。

 

生むし鰻は、この店の独特のメニュー。作り方と特徴についての説明書きによれば、関東の一般のうなぎの蒲焼きの工程から白焼きをなくして、裂き→(生のウナギ)蒸し→タレ焼き、という工程で作ったもの。この生むし鰻をごはんに載せたのが、生むし鰻重。

テーブル上には、シンプルに爪楊枝、山椒、醤油のみが置かれてた。


(下)天然鰻と(上)養殖鰻

接客係の女性が、厨房の方に戻って、注文を伝えると、厨房から若い男性が客席側にでてきて、そのまま玄関扉を開けて店の外へと出ていった。ちょっとすると、丸い桶を両手で持って、店内へと戻ってきくると、テーブル脇で立ち止まり、桶の中でにょろにょろ動いてる鰻を見せてくれた。「色の薄いのが天然鰻で、濃い色のが養殖鰻です」とのこと。

天然と養殖の活きてる鰻を、こうやって並べて見るのは初めてっ!もっとまじまじ観察したかったが、あっと言う間に、厨房へと運んでいってしまった。


うざく ¥800

15分位待ってたら、最初にうざくが運ばれてきた。

うざくは、うなぎ蒲焼き+きゅうりを三杯酢で合えた料理のこと。焼きたての状態の蒲焼きを、和えたようで、鰻の熱がきゅうりや三杯酢に移ってて、ほんのりとした温もりが感じられて、作りたての風味。酢と甘みがまろやかで、ちょっと塩味が効いてて、さっぱりと鰻が味わえた。


肝焼き(2本)¥600

次に肝焼きが運ばれてきた。長めの串に、細身に形よく串打ちされてて、甘みのある中口タイプのタレが絡めてあった。食べると、プリッとした弾力と、ほんのりとした苦みが口の中に広がって、臭みなく食べやすい。


天然鰻の肝焼き

次はうな重、と期待しながら待ってたら、その前に天然鰻の肝焼きが運ばれてきた。予期してなかったので、これにはちょっとびっくり。

端の部分が焦げてる状態で、しっかりめに焼いてあった。普通の肝焼きと比べ、脂っこくなく、すっきりした風味。1尾分しかないので、噛み締めるように味わいながら食べた。

活きた鰻の入った桶を厨房に運び込んでから、約38分程で鰻重が運ばれてきた。


鰻重(特重)¥2400

鰻重(特重)は、ごはんの上に、濃いめの焼き色で焼いてある鰻1尾分が身が重ならない状態で載せてあった。

表面かために香ばしく、中はふっくらと焼けてて、身と皮との間には、脂を含んだ厚めのゼラチン層があって、このねっとりプルプルした食感。この中にコラーゲンが含まれてて、美肌になれそう。


生むし 鰻重 ¥2600

生むし鰻重は、ごはんの上に、焼き色控えめに照りよく焼いてある鰻1尾分が身が重ならない状態で載せてあった。鰻の大きさは、特重とほぼ同じ。

この生むし鰻、力を入れなくても、箸で挟むだけで切り分けられる。口の中に入れると、ふわっとしてて、とろけるように柔らかい。こんなに柔らかな食感ながら、鰻の風味もしっかり感じられる。

柔らかな鰻としては、南千住の尾花が有名だが、ここの生むし鰻はそれ以上に柔らかく、値段もお手頃で行列しなくていい。単に柔らかいのではなく、熱によって身に含まれてる空気が膨張したかのように、軽やかさのある柔らかさで、こんな食感の鰻は初めて。

関西風とも関東風とも異なるこの生むし鰻、炭火焼きだから可能なのかも。



天然鰻 東京湾〜江戸前〜 ¥6900

天然鰻の鰻重は、四角いお重の中に、ごはんと、その上に中程度の焼き色で焼いてある鰻1尾分が身が重なるように載せてあった。特重のうなぎより、ひと回り大きかった。

表面香ばしく、中はふっくら柔らかで、身にも厚みがある。養殖鰻のように、身と皮との間のゼラチン質の層は無く、脂っぽさは控えめだが、身全体に脂がほどよくのってて、クドさなく、あっさり上品な味わい。ボリュームがあったのに、ペロリと平らげられた。

流通する鰻の1%にもみたない天然鰻はほんとに希少。天然鰻を食べたのは、2年前の潮来の清水屋以来。いささか値が張るが、天然うなぎは一生に一度は食べたい逸品。それが、炭火焼きで、裂きたて、蒸したて、焼きたてで食べられて、本当に運が良かった。

3種の鰻重は、全部同じ器によそってあるので、大きさなど比較がしやすかった。

接客係の女性は、食べ比べてみてください。といいながら、にこやかに対応してくれた。

最近は、高級感のある造りの鰻店が人気があるが、ガス焼きの店も多く、風味がなかったり、皮の部分が縮んでゴムみたいな食感の鰻だったりする。若干焼き色ムラがあったのは残念だが、炭焼き、活き鰻の店で、値段も手頃。店独自の生むし鰻は、とろけるような蒸し鰻が食べられる。運が良ければ天然鰻も食べられる。おすすめ度は、7.4。

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炭焼き活き鰻『芳野屋(よしのや)』
 千葉県柏市東1-1-10

 電話:04-7164-0160
 営業時間:11:30~22:00
 定休日:水曜日