山形県酒田市にあるフランス料理店。「ホテルイン酒田駅前(旧酒田東急イン)」の3階にある。

佐藤久一(1930-1997)が太田政宏シェフとともに構築した、地元庄内で穫れた新鮮な食材を、地元に伝わる郷土料理の作り方を取り入れて調理した「フランス風郷土料理」が食べられる店。

昭和48年(1973)、清水屋デパート5階でオープン。作家の開高健、丸谷才一、山口瞳などの食通を魅了して評判が高まり、東京や大阪からも客が訪れるようになった(丸谷は、文芸春秋で「裏日本随一のフランス料理」と書いている)。昭和50年(1975)、酒田駅前に完成した現在のビル(旧酒田東急プラザビル)に2号店をオープンしたのがこの店。(清水屋デパートの店は昭和52年頃閉店)≫人気blogランキング

佐藤久一は、1949年、酒田市に洋画専門劇場「グリーンハウス」を創り、後に映画評論家:淀川長治に世界一の映画館と評された。1967年、『レストラン欅(けやき)』をオープンし、1973年にフランス料理店『ル・ポットフー』をオープンし、1975年にこの2号店オープンした。



この13建てビルは、日新開発ビル(旧酒田東急プラザビル)という名の、酒田随一の高層のテナントビル。上層階がホテルのテナント(2010年9月21日までは「酒田東急イン」だった)だが、レストランとは別経営。ホテルは変わったが、『ル・ポットフー』は以前のまま営業してる。

 

ホテル西側入口付近が、数台分の駐車スペースになってた。駐車北側入口に面した通路脇にも車が止まってた。

北側1階から入ると、ビル内は少し暗めながら床が大理石風で上品な雰囲気。正面奥が、ビジネスホテル様のコンパクトなフロントになってた。



1階は、人影まばらで、右手にいくと、エレベーター脇に『ル・ポットフー』のメニューが掲示されてた。

 

コースメニューは、¥3465〜とフレンチレストランらしく、やや値が張るが、黒板に掲示されてたランチメニューは¥1575〜と、お手頃価格。エレベーターに乗って3階へ。



エレベーターが3階に着いて降りると、そこはすでにレストラン内。3階のワンフロアーがまるまるレストランになってた。

正面奥がレジ&受付になってて、その手前が木製ベンチが数脚配置された待ち合い風スペースになってた。



白シャツ&黒服を着用した女性にいらっしゃいませと、折り目ただしく迎えられ、何名様ですかと尋ねられ、左手にある客席へと案内された。



2方向の窓にバランス付きカーテンを配した客席は、シャンデリアの柔らかな光で照らされ、アンティーク調度品と一画には黒のグランドピアノが置かれてて、ヨーロッパ調のクラシカルな雰囲気。

 

メニューから、本日の魚ランチ¥1575、ハンバーグランチ¥1575、ステーキランチ¥2100、とシェフおまかせランチ¥2625を注文。


 サラダ

お魚、ハンバーグ、ステーキの各ランチには、ミニサラダが先に運ばれてきた。レタス、水菜、刻んだトマトの上に、生食用のかぼちゃの千切りがトッピングされてて、自家製ドレッシングがかかってた。


 スープ
(左)冷たいじゃがいものスープ or
(右)温かい野菜&チーズのスープ

スープは、2種から選べた。

冷たいじゃがいものスープは、クリーミーで口あたりのいいスープだった。温かいスープは、野菜&きのこの薄味仕立て風味のスープで、トロリと溶けたチーズが入ってて味のアクセントになってた。


 パン&バター

スープの次は、パンとシェル型小皿に載せたバターが運ばれてきた。


本日の魚ランチ
 鮮魚と夏イカと海老のパイ包み焼き ¥1575

鮮魚と夏イカと海老のパイ包み焼きは、ケーキ風の形のパイ包み焼き(ホールで焼き上げてから切り分けた)で、脇に鯛のグリル、ラタトゥユ、温野菜(かぶ、いんげん、グリーンアスパラガス)を添え、クリームソースがかかってた。

温めてあって、サクッとした食感のパイ生地の中に、弾力のある白身魚風ムースが入ってて、ムースの中には刻んだイカ、海老などの存在がしっかり感じられる。鯛のグリルは、表面香ばしく、身がほっくりしてて、鮮度の良さが感じられ、クリームソースが淡白さを補っててとても相性がよかった。

ラタトゥユは、控えめの味付けになってて、野菜本来の甘さや風味が感じられた。


ハンバーグランチ ¥1575

ハンバーグは、つなぎ少なく肉らしい弾力のある柔らかなハンバーグで、牛肉比率の高い合挽肉で作ってあるよう。デミグラスソース&生クリームがかかってて、脇にラタトゥユ、温野菜(かぶ、いんげん、グリーンアスパラガス)が添えてあった。一般的な料理なのに、しっかり高級料理に仕上がってた。


ステーキランチ ¥2100

ステーキランチは、1.2cm程の厚みのステーキで、肉表面に格子状の焼き目が付いてて、ミディアムちょっと手前くらいの焼き加減。表面香ばしく、中はジューシーに焼けてて、ソースがかかってて脇にラタトゥユ、温野菜(かぶ、いんげん、ブロッコリー、ミニコーン)、マスタードが添えてあった。

厚みはないが、かなり大きさのステーキで、ボリュームがあり、高級レストランらしく、濃厚な肉の味が楽しめた。


デザート:桃のジェラート&キャラメルムース

デザートは、ガラスの器に、桃のジェラート、キャラメルムースが果物を添えて、涼しげに盛りつけられてた。桃のジェラートは、桃の甘みとほんのり渋みがあって、本物の桃から作られたジェラートのよう。ムースは泡立ったように柔らかで、食べやすかった。

◎シェフおまかせランチ ¥2625

オードブル盛り合わせ
 人参ムース、田舎風パテ、ニシ貝

シェフおまかせランチは、他のランチメニューとは別構成になってた。最初にオードブルが運ばれてきた。接客係の男性は、3品の料理名を告げながら、テーブルの上に料理のお皿を置いてくれた。

千切り野菜のサラダ(生食用かぼちゃ、人参、大根)を中心に、オードブル3品が三角形に盛り合わになってた。

人参のムースは、ほんのり粒粒感のある甘みのあるムースで、生クリームがトッピングされてて、人参くささなく、デザート感覚で食べられた。料理名を告げられなかったら、人参のムースだとはわからないし、人参嫌いの子どもでも、これだったら食べられそう。

ニシ貝は、貝殻表面に凸凹のある1.5cm位の巻貝。名前を聞くのも、食べるのも初めて。小皿に貝殻付きの状態で盛り付けてあるとは思わず、添えてあった楊枝で刺そうとして、その硬さに殻付きであることに気づいた。巻貝の開口部に楊枝を刺して、巻きに添って引っぱりると、身の部分が出てきた。身は小さいながら、しっかり貝の味がした。

田舎風パテは、スライスしたパンの上に載ってた。内蔵っぽさなく食べやすかった。


スープ

スープは、2種から、野菜&チーズの温かいスープを選んだ。他のランチメニューと内容は同じだが、容器は異なり、ちゃんとしたスープ皿で運ばれてきた。


山形県産「米の娘ぶた」グリル

メイン料理は、3種から、山形県産「米の娘ぶた」グリルを選んだ。

1.2cm程の厚みの豚ロース肉で、表面に、きれいな格子状の焼き目を付けて、焼き上げてあって、脇にラタトゥユ、温野菜(かぶ、いんげん、ブロッコリー、ミニコーン)、粒マスタードが添えてあった。

ナイフで切り分けて、口の中に入れると、柔らかでジューシー。脂身の部分も、脂っぽさ全くなく、食べやすく、上質な豚肉の味が濃厚だった。オリエンタル風のソースとの相性よく、ごはんが食べたくなってしまった。


パン

パンは温めてあって、表面パリッと中はふっくらしてた。


デザート盛り合わせ
 桃ジェラート、キャラメルムース、クランベリータルト

デザートは、盛り合わせで豪華だった。



 コーヒー

食後には、4人ともデザインの異なる小さめカップで、コーヒーが運ばれてきた。ゆっくり食後の時間を楽しんでると、接客係の女性がコーヒーポットを持って客席まできてくれて、おかわりはいかがですかと、コーヒーのお替わりを勧めてくれた。お願いしますと答えて、注いでもらったコーヒーも熱々で、一層ランチタイムが充実した。

広めの客席を、3〜4人の接客係で担当してるので、少々忙しそうではあるが、折り目正しさの中に、温かさのある対応で、居心地がよかった。帰りは、エレベーターの扉のところで見送ってもらって、ちょっと名残惜しかった。

田舎の料理といえば、味付けが濃いものだと思いがちだが、素材の持ち味を引き立てる薄味仕立てになってて、魚介類の鮮度の良さがしっかり生きてて、都会に勝るとも劣らないフランス料理が味わえた。

かつて東京の食通を魅了しただけのことはある、地元の食材を生かした本格的なフランス料理店。酒田近くに行ったら是非とも立ち寄りたい店。ランチはお手頃価格なので気軽に行ける。おすすめ度は、7.7。

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フランス風郷土料理『ル・ポットフー』 山形県酒田市幸町1-10-20
 日新開発ビル 3F(旧酒田東急プラザビル)

 電話:0234-26-2218
 営業時間:
  11:30~14:00(LO)
  17:30~20:00(LO)
 定休日:水曜日