土浦市の創業45年になる老舗洋食店。土浦駅から西に600m程のところにある。

料亭『日新楼』の跡取り息子であった堀越茂次氏が、昭和40年に開業し、今も店主として腕を振るう。

店の前が約4台分の駐車場になってた≫人気blogランキング

『日新楼』は創業は江戸時代(安政年間?)で、川や堀が網の目のように巡る水郷地帯だった土浦の中心にあり、宴席を行う屋形船を運航し、日本料理の他、西洋料理も提供してたという。

『日新楼』の娘(店主の祖父の姉妹)が初代女将として、すぐ隣に分家して開業したのが、今もある「割烹 霞月楼」である。

霞月楼の隣にあった『日新楼』は4代目の昭和30年代に閉鎖した。その息子だった店主は、単身ヨーロッパに渡り、約1年間レストランで働いて修行した後、芸者が待機する場所だったここに店を開いたとのこと。

土浦駅西口からこの店に至る道路は、昼間でもピンク色のネオンが光る歓楽街。そのせいか昼頃だというのに、人影はほとんどなかった。



国道24号を駅から西方向に進み、常陽銀行の交差点で南に曲がる。2本目の道路で西に折れて、60m行ったところにある。

やや奥まって建ってるので、全く目立たず、かなり近くに行っても店は見えない。



10メートル手前まで近寄ると、やっと店が見えてくる。



中折れ屋根&白壁のレトロモダン(ハイカラ)な2階建て。

休業のように見えるが、玄関扉の右脇に小さな営業中の札が掛かってので、扉を開けて店の中に入った。



店内は横長の形。左手奥が厨房とそれに面したカウンター席で、通路を介して手前窓側がテーブル席(4人×2)になってた。



店内はやや古めいてて、昔懐かしい洋食店って感じ。

厨房にいた70歳位の帽子をかぶったちょっと小柄な男性が店主のよう。客席側には奥さんらしき同年代の女性がいて、夫婦で切り盛りしてるよう。2人ともちょっと驚いたように、直後は待ち兼ねてたような笑みを少し浮かべながら、いらっしゃいませと迎えてくれた。

 

メニューには、いちばん上のポークカツのみ定食と表示されてて、他の品には定食と記されてなかった。一品料理かどうか聞くと、どれも定食とのこと。

メニューから、看板料理と噂のビーフシチュー定食¥1800とハンバーグステーキ定食¥1000を注文した。

注文受けると、厨房で店主が調理をはじめた。その隣では、奥さんが食器などの準備をしてて、長年連れ添った夫婦ならではの阿吽の呼吸。



写真を見ると、この町の唯一のレストランと英語で書いてる看板もあった。土浦には、老舗の本格的な洋食店が多い(大かわ中台ボルドーラ・キュイジーヌKなど)のは、『日新楼』が源流としてあったためだろう。

その息子だった店主は、このレストランは、土浦の洋食の原点の直系とも言える。

 
 

壁上部に『日新楼』の写真と絵画が飾ってあった。土浦に水路があった頃の屋形船の待ち合い所っぽい場所の写真。女性は和服姿、文字は、右→左へと書かれてた。大正時代の写真だそう。

聞けば、霞月楼の近くの高架橋がある道路は、当時は霞ヶ浦に注ぐ川で、その辺(今、東京電力の事務所がある場所)に日新楼はあったそう。日新楼の裏から屋形船が出ていたとのこと。


厨房からは、フライパンで強火で調理をしてるジュージューという音が聞こえてきて、お腹が減ってたのでますますそそられた。

ちょっと待ってたら、料理が運ばれてきた。


ビーフシチュー定食 ¥1800

ビーフシチューは、2〜3cm大位の牛肉が4〜5ヶ、自家製らしいデミグラスソースとともに、フライドポテト、人参のグラッセ、ほうれん草を添えて、丸皿にボリュームたっぷりによそってあって、ごはん、みそ汁、漬物が付いてた。

牛肉は口の中でほどけるように柔らかい食感で、苦みのないデミグラスの風味がまろやかに口の中に広がる。ごはんは炊きたてで、みそ汁はちょっと濃い仕立てになってて、まさしくお袋の味、漬物も自家製だった。

ビーフシチューって、高嶺の花って思いがちだけど、肉がたっぷり入ってて本格的な味なのにこの価格とはお得。もっと前から来れば良かった。店主の自信作のように感じた。


ハンバーグステーキ定食 ¥1000

ハンバーグステーキは、端のちょっと尖った楕円形で、きのこ入りのデミグラスソースがしっかりめに掛かってて、脇にスパゲッティ、人参、ほうれん草が添えてあって、ごはん、みそ汁、漬物が付いてた。

ハンバーグは、香ばしくジューシーに焼けてて、肉質はふっくら柔らかで、箸で切り分けながら食べられた。

他のメニューにも興味があったので、複数回通ってみた。


ポークソティー定食 ¥1000

ポークソティー定食は、2cm弱の厚みのある豚ロース肉を強火で炒めて、デミグラスソースがたっぷり絡めてあって、まさに古典的な洋食の味わい。


チキンバーベキュー定食 ¥1200

チキンバーベキューは、熱した鉄板(オーブンで温めてたよう)の上に、鶏肉(6ヶにカットしてある)、フライドポテトが載ってて、添えられてたタレ(甘しょっぱい醤油タレ)をかけて食べる。

ジュージューという音と共に、湯気とタレの焦げた香ばしいにおいが立ちこめて、甘すぎないシャープな醤油だれが、これまたごはんのおかずにぴったり!


ポークカツ定食 ¥1000

ポークカツは、2cm弱の厚みのある豚肉が、フライ粉をまとって濃い色に揚げてあって、やや控えめにデミグラスソースが掛かってて、千切りキャベツ、ポテトサラダ、トマト、レモンが添えてあった。

デミグラスソースが控えめにかけてあることで、衣のサクッとした食感がそこなわれず、とんかつではなく、はいからなカツレツとして最後まで食べられた。

ポテトサラダは、じゃがいも&人参で作ってある昔懐かしい味の素朴なポテトサラダだった。


ポークヒレカツ定食 ¥1200

ポークヒレカツは、3〜5cm大のやや厚みのあるヒレカツが3枚+やや控えめにデミグラスソースが掛かってて、千切りキャベツ、ポテトサラダ、トマト、レモンが添えてあった。

ヒレカツは形がやや不揃いながら、厚みがあって柔らかく、脂身のない豚肉がデミグラスソースとの相性よく、上品な味わいのカツレツで、満足度が高かった。肉の量もたっぷりで充実感があった。


ポークショウガソティー ¥1000

ポークショウガソティーは、豚ロース薄切り肉が4枚、甘しょっぱい醤油ダレを絡めて炒めてあって、千切りキャベツ、ポテトサラダ、トマト、レモンが添えてあった。

薄切りとはいっても、厚みが5mm以上とあって、炒めた時に反らないよう切り込みがしっかりされてたので、タレとの絡みよく、また形よく仕上がってて、食べ応えもあった。


チキン唐揚げ ¥1000

チキン唐揚げは、唐揚げ表面の油がジュージュー音を立ててる程、熱々の作りたての状態で運ばれてきた。猫舌の私はフーフー冷ましながら食べた。


カキフライ定食 ¥1000

カキフライ定食は季節限定品のようで、メニューには載ってなくて、店内に貼り紙がしてあった。

カキフライ5ヶは、中くらいのサイズのもので、表面サクッと中がふっくらと揚がってた。大戸屋などチェーン店のものより、牡蠣の風味がしっかりと感じられた。



メニューには書いてないが、食後は、コーヒーが運ばれてくる。季節によって、ホットだったり、アイスだったりする。また、時には、コーヒーのかわりにプリン(カラメルソースに苦みがあって、手作りっぽいプリン)が出て来たりすることもある。

鄙びた風情漂う、時代に取り残されたような雰囲気の店だが、料理はいつも注文受けてから作る。客席からフライパンに立ち上る炎が見えるくらい、強火でダイナミックに調理してて、古き良き時代の正統派の洋食って感じで、安心感と懐かしさがある。また、熱々のごはんに、作り立てのみそ汁、上手に作った自家製漬物が添えられてて、まさに日本中に広がった、洋食の原型がここにある。

土浦だけでなく、茨城の洋食の歴史に欠かすことが出来ない、隠れた名店。店主が1人で調理してるので、客が立込んでる時は時間がかかることもあるし、近所の出前は店主自ら自転車で行ってるので、昼休みが1時間しかない時ではなく、時間にゆとりのある時に行きたい。妙な場所にあるが、クラシックで本格的な洋食で、充実した内容。一度は行って食べる価値あり。おすすめ度は、7.3。

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■『レストラン 日新』
 茨城県土浦市桜町2-13-7
 電話:029-822-5933
 営業時間:
  昼…11:30~14:00頃 
  夜…17:00頃~
 定休日:日曜日