2008年08月04日
そば処 麦家

まだ新しい今風の民家の隣に、木塀に囲まれた駐車場がある。塀の一端に看板が出てた。
駐車場の奥に庭門があって、門の両脇に、表札、営業中の札、乳幼児の入店はできませんという立て札があった。

門をくぐり、木々の間に設けられてる石敷の小道を歩いていく。
低木、草花、苔などが、無造作に覆い茂ってて、山歩きをしてるような雰囲気。

道なりに歩くと、道の途中、木製のベンチ席が設けてあった。この5〜6m前方に玄関がある。

建物は、寄せ棟造りの平屋建てで、母屋とは別棟になってるよう(庭門の右手前方にあるのが母屋?)。
入ると、広めの玄関があり、奥が厨房、左手の薪ストーブが設置してある廊下っぽいスペースの先が客席になってた。玄関の三和土(たたき)の右手には、そば打ち部屋があった。
厨房にいた60代くらいの男性が店主のようで、奥さんらしき50代位の女性と2人で切り盛りしてた。玄関入ると、すぐに気づいて、和やかにいらっしゃいませと迎えてくれた。

玄関で靴を脱いで、店内に上がった。
ストーブの左手の筬(おさ)格子戸の向こう側が、2方向が庭に面した和室(10帖)+L字の縁側(約5帖)の客席になってて、厨房脇にある3帖間と繋がってた。
縁側のガラス戸は、開け放してあり、網戸がないので、屋外の景色や空気が直に感じられて、開放感がある。自然と融和し、生活の中に自然を取り込んで暮らしてきた日本家屋の持ち味って感じ。


縁側の床は所々色落ちしてて年期が感じられる。ガラス戸には、ねじ式の鍵(=ねじ締まり)が付いてて、畳は縁(へり)なしタイプので、照明は、電球+傘という旧型なもので、古民家を現代風にアレンジすることなく、そのまま手を入れて使ってある感じ。
暑い日だったが、室内にはエアコンの設備はなく、扇風機がゆったりと回ってた。

なだらかな凹凸のある庭は、ところどころ苔むしたようになってて、ししおどし(古木で作ってある)、小さな地蔵(濡れ縁のすぐ外にある)、灯籠などが置かれてて、日本のいくつかの風景を重ねあわせて作ったかのよう。

メニューから、天ざる¥1400、かも南ばん¥1400、そばがき¥800、だし巻たまご¥500などを注文した。

天ざる ¥1400
そばは、ほんのり深緑色。2mm前後に細打ちされてて、丸ざるに平たく盛ってあった。口に含むと、表面に意外にも滑らかで、もっちりした中にそばのふくよかな香りがしっかりと感じられる。
そばつゆは、マイルドなだけれど甘さ控えめなもので、そばの味と香りが引き立つ感じ。
天ぷらは、えび、かぼちゃ、なす、れんこん、おくらなど、6点盛りで、薄衣で色鮮やかに、油切れよく揚げてあって、天つゆが添えてあった。

かも南ばん ¥1400
かも南ばんは、温かいそばかと思ってたら、冷たいそば&温かいつけの組み合わせだった。
つけ汁は、そばつゆよりさらに甘さひかえめ。ほとんど甘みはないのに、尖っていないつゆで、鴨肉、炙った長ねぎ(長さ4cm位)だけでシンプルに作ってあって、そば&鴨がナチュラルに味わえた。

そばがき ¥800
そばがきは、お湯の中に4〜5cm位の半円っぽい形のそばがきが7ヶ入ってた。細挽きのそば粉を用いてあるせいか、密度ある食感だった。

だし巻たまご ¥500
だし巻たまごは、4ヶ入りで、醤油風味の出汁をはったお皿に盛ってあった。
甘くないタイプの玉子焼きで、断面を見ると、層を描いた玉子が、楕円形にきれいに巻いてあった。
含んでる水分はそれほど多くなく、玉子の繊維感のある、少し固めの状態に焼き上げてあった。醤油風味の出汁をつければ、田舎風のなつかしい味で、つけなければ、都会的な味の玉子焼きとして、楽しめた。

そば湯
そば湯は、それ程濃くないのに、ぽったり滑らかで葛湯のようだった。

そばぜんざい ¥600
そばぜんざいは、作りたての熱々。
小豆は煮崩れてなく立体的で、1粒1粒存在がしっかりしてて、煮たというより、炊いてある感じ。甘さ控えめなので、小豆の素朴な味わいがストレートに伝わってくる。小豆の中には、ふっくら膨張したそばがきが入ってて、米餅よりも粘りが淡白で、素朴な小豆とよく合う。
懐かしさ漂う素朴な店内で、手打ちの十割そばをゆったりと味わってると、ノスタルジックな気分に浸れる。
雰囲気は素朴だが、2人で切り盛りできるようメニューが絞り込んであり、化学調味料や過度な甘みを抑えた料理はすっきり上質で、価格とのバランスがとれてて、店主の力量が感じられる。
時間を気にせず、自然の恩恵を感じながら、ゆったりと蕎麦を味わいたい時にぴったり。おすすめ度は、7.3。
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■そば処『麦家』
茨城県那珂市後台1229
電話:029-353-0505
営業時間:11:00〜14:00、17:00〜20:00(夜は要予約)
売り切れの際は閉店
定休日:毎週月曜日、第3火曜日

