2008年01月01日
村屋東亭

霞ヶ浦大橋(2年ほど前から無料になった)を越えてすぐに、地元の産品の販売所があった。この辺から霞ヶ浦を見るとまた違う風情。

北西を見ると、筑波山が霞ヶ浦を通して見えた。筑波山が単独峰でなく、山地の中にあるのがよくわかる。

県道2号線の鉾田土木前交差点から、北東に300m行ったところに、消防署の隣のホームセンターの白いフェンスの向こう側に店があった。駐車場の入り口に看板が建ってた。
この辺りは、ショッピングセンター、消防署、ガソリンスタンド、が建ち並び、鉾田市のメインストリートのよう。
蕎麦は、縄文晩期に大陸から日本に伝来したと言われ、麺として普及したのは、江戸時代中期らしい。
人口が増えた江戸で、安価さと手軽さのため、たくさんの蕎麦屋ができた。天保時代には、江戸の飲食店は約6000軒で、この半数が蕎麦屋だった。
明治時代になり、1888年に製麺機(ロール式)が発売されて普及し、手打ちはすたれて、名店といわれる店までも機械打ちが増えた。
さらに、関東大震災、大東亜戦争、戦後の食糧難、を経ると、行政指導により、手打ちは不衛生とされて手打ちそばの店はほぼ消滅した。
そば打ち名人と呼ばれた片倉康雄は、戦後に消滅した手打ち蕎麦の再興に尽力した。
弟子は非常に多く、片倉氏が亡くなったあとも、「そば打ちの心」が継承されてる。片倉氏の教えは具体的な蕎麦の打ち方よりも、蕎麦屋としての考え方や生き方だそう。また、蕎麦のうまさは、打ち方は10%で、原料が90%であるとも言っていた。
直弟子として
■茨城鉾田町『村屋東亭』:渡邉維新氏(第一期生)
■広島『達磨・雪花山房』
(翁達磨グループ):高橋邦弘氏(第二期生)
■秩父『こいけ』:小池重雄氏(第三期生)
■八王子『車屋』:小川修氏
らが知られている。

店頭が駐車場になってて、奥まった感じで、屋根が大ぶりでどっしり和風の建物が建ってた。
村屋東亭は、鉾田市に昭和58年オープンした。
「常陸秋そば」は昭和53年から、茨城県久慈郡金砂郷村の在来種を基に、選別しながら育成され誕生した品種。弟弟子の高橋氏に勧める一方、茨城県の農家を回って栽培育成を奨励し、ブランドになるのに貢献した。
建物左手に掛かってたカラフルな色遣いの暖簾(厚手の生地の暖簾だった)をくぐって、店に入った。

店内は、横長の構造になってて、手間側が小上がり、通路を挟んで奧がレジと(壁寄りに設けられてる)カウンター席になってる。
レジの後ろ側が、広めのそば打ち部屋になっていて、カウンター席の奧が厨房になってる。
店内は、格天井(格縁を縦横に組んで、正方形の区画模様になってる天井)になってて、古風な重厚感がただよって、男性好みの雰囲気。
60代位の女性にどうぞといわれて空いてる席に座った。この女性、店主の奥さんのよう。そば打ち部屋には、だれもいなくて、店主はすでにそば打ちを終えて、厨房で働いてるみたい。

カウンター席の壁上部には、大小2つの額がかかっていた。小さい方が常陸秋そばの額で、大きい方が、友蕎子と署名があり、師:片倉康雄氏から寄贈された直筆の書のよう。

メニューから、そばがき¥1000、天せいろ¥1400、鴨せいろ¥1400を注文した。
平日のせいか、常連っぽいスーツ姿の男性2人連れが、近所の馴染みのそば屋にいるように食後、新聞を見ながら、世間話をして、時間つぶしをしてた。
ちょっと待ってたら料理が運ばれてきた。

そばがき ¥1000
そばがきは、塗りの器の中に湯とともに入れてあった。
平たい楕円の表面には、しっかりと葉脈を印してあって、水の中に漂う落ち葉のよう。薬味は辛み大根とわさびが添えてあった。
箸で切り分けて、口に運ぶと、粘りの淡泊で、もっちり感が軽い、そばらしい素朴な味わいのそばがきだった。

天せいろ ¥1400
天せいろは、四角いせいろに、きれいな薄緑色のそばがきれいによそってあった。このそば、薄緑色といっても、どこの店より、緑色が鮮やかで、さすが常陸秋そばを普及させた店主ならではの感じ。口に含むと、新そばならではのふくよかな香りが感じられた。
そばつゆは、甘さはないが、まろやかで醤油の重さのない軽やかな味わい。意外なほど軽やかだったが、繊細なそば本来の風味を味わうのにぴったりだった。
天ぷらは、海老、れんこん、しいたけ、ししとう2ヶで、薄衣で揚がっていて、衣に邪魔さ得れることなく、ストレートに素材の味が楽しめた。天つゆが添えてあるので、そばつゆを濁すことなく、食べられた。

鴨せいろ ¥1400
鴨せいろは、長方形型の器に薄緑色のそばがきれいによそってあった。
つけ汁は、甘口斜め切りの長ねぎ、鴨肉3ヶ位入ってた。天せいろのそばつゆより、少し甘口仕立てになってて、その柔らかな甘さが鴨肉によくあっていた。
薬味は、長ねぎ、わさび、山椒が添えてあった。

そば湯
伝統を受け継ぐ魅力のある店。最近は、脱サラして、蕎麦店を出す人が増えてるが、渋さと重厚感のお手本になりそう。常陸秋そばの原点とも言えるかも。
■手打そば『村屋東亭』 →茨城県南の蕎麦店リストへ
茨城県鉾田市安房1418
電話:0291-32-3173
営業時間:11:30〜17:00
定休日:水曜日
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コメント一覧
1. Posted by Thori-Tung 2008年01月02日 10:40
確かに、或る意味では常陸の国を代表するとも言える同店ですが、地元では「おにざわ」を推す声の方が遙かに多い事でも有りますし、行き掛けの駄賃としては行方市の恵比寿辺りのレポートも所望したい処では有ります………。
2. Posted by 大津 2008年01月03日 10:27
3. Posted by 大津 2008年01月03日 10:44
4. Posted by uno 2008年01月04日 10:21
最初は恵比寿に行こうかとも思ったのですが、
常陸秋蕎麦の原点と聞いたので行きました。
いろいろ行きたい店があって困っています。
5. Posted by uno 2008年01月04日 10:22
いろいろお忙しいようですね。
今年もよろしくお願いします。
6. Posted by 大津 2008年01月06日 20:37
7. Posted by uno 2008年01月08日 07:47
引退されるんですか。
でも食べ歩きは続けられるんですよね。
8. Posted by お早ようございます。太鼓土師は引退しても食べ歩き続けます(^_^)! 2008年01月08日 09:22


