鉾田市にある、常陸秋蕎麦を世間に知らしめた蕎麦店。

店主は、そば打ちの名人で有名な『一茶庵』創始者の片倉康雄氏(1904〜1995)の直弟子。

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霞ヶ浦大橋(2年ほど前から無料になった)を越えてすぐに、地元の産品の販売所があった。この辺から霞ヶ浦を見るとまた違う風情。



北西を見ると、筑波山が霞ヶ浦を通して見えた。筑波山が単独峰でなく、山地の中にあるのがよくわかる。




県道2号線の鉾田土木前交差点から、北東に300m行ったところに、消防署の隣のホームセンターの白いフェンスの向こう側に店があった。駐車場の入り口に看板が建ってた。

この辺りは、ショッピングセンター、消防署、ガソリンスタンド、が建ち並び、鉾田市のメインストリートのよう。

蕎麦は、縄文晩期に大陸から日本に伝来したと言われ、麺として普及したのは、江戸時代中期らしい。
人口が増えた江戸で、安価さと手軽さのため、たくさんの蕎麦屋ができた。天保時代には、江戸の飲食店は約6000軒で、この半数が蕎麦屋だった。

明治時代になり、1888年に製麺機(ロール式)が発売されて普及し、手打ちはすたれて、名店といわれる店までも機械打ちが増えた。

さらに、関東大震災、大東亜戦争、戦後の食糧難、を経ると、行政指導により、手打ちは不衛生とされて手打ちそばの店はほぼ消滅した。

そば打ち名人と呼ばれた片倉康雄は、戦後に消滅した手打ち蕎麦の再興に尽力した。

弟子は非常に多く、片倉氏が亡くなったあとも、「そば打ちの心」が継承されてる。片倉氏の教えは具体的な蕎麦の打ち方よりも、蕎麦屋としての考え方や生き方だそう。また、蕎麦のうまさは、打ち方は10%で、原料が90%であるとも言っていた。

直弟子として

■茨城鉾田町『村屋東亭』:渡邉維新氏(第一期生)
■広島『達磨・雪花山房』
 (翁達磨グループ):高橋邦弘氏(第二期生)
■秩父『こいけ』:小池重雄氏(第三期生)
■八王子『車屋』:小川修氏

らが知られている。



店頭が駐車場になってて、奥まった感じで、屋根が大ぶりでどっしり和風の建物が建ってた。

村屋東亭は、鉾田市に昭和58年オープンした。

「常陸秋そば」は昭和53年から、茨城県久慈郡金砂郷村の在来種を基に、選別しながら育成され誕生した品種。弟弟子の高橋氏に勧める一方、茨城県の農家を回って栽培育成を奨励し、ブランドになるのに貢献した。

建物左手に掛かってたカラフルな色遣いの暖簾(厚手の生地の暖簾だった)をくぐって、店に入った。



店内は、横長の構造になってて、手間側が小上がり、通路を挟んで奧がレジと(壁寄りに設けられてる)カウンター席になってる。

レジの後ろ側が、広めのそば打ち部屋になっていて、カウンター席の奧が厨房になってる。

店内は、格天井(格縁を縦横に組んで、正方形の区画模様になってる天井)になってて、古風な重厚感がただよって、男性好みの雰囲気。

60代位の女性にどうぞといわれて空いてる席に座った。この女性、店主の奥さんのよう。そば打ち部屋には、だれもいなくて、店主はすでにそば打ちを終えて、厨房で働いてるみたい。



カウンター席の壁上部には、大小2つの額がかかっていた。小さい方が常陸秋そばの額で、大きい方が、友蕎子と署名があり、師:片倉康雄氏から寄贈された直筆の書のよう。

 

メニューから、そばがき¥1000、天せいろ¥1400、鴨せいろ¥1400を注文した。

平日のせいか、常連っぽいスーツ姿の男性2人連れが、近所の馴染みのそば屋にいるように食後、新聞を見ながら、世間話をして、時間つぶしをしてた。

ちょっと待ってたら料理が運ばれてきた。


そばがき ¥1000

そばがきは、塗りの器の中に湯とともに入れてあった。

平たい楕円の表面には、しっかりと葉脈を印してあって、水の中に漂う落ち葉のよう。薬味は辛み大根とわさびが添えてあった。

箸で切り分けて、口に運ぶと、粘りの淡泊で、もっちり感が軽い、そばらしい素朴な味わいのそばがきだった。


 天せいろ ¥1400 

天せいろは、四角いせいろに、きれいな薄緑色のそばがきれいによそってあった。このそば、薄緑色といっても、どこの店より、緑色が鮮やかで、さすが常陸秋そばを普及させた店主ならではの感じ。口に含むと、新そばならではのふくよかな香りが感じられた。

そばつゆは、甘さはないが、まろやかで醤油の重さのない軽やかな味わい。意外なほど軽やかだったが、繊細なそば本来の風味を味わうのにぴったりだった。

天ぷらは、海老、れんこん、しいたけ、ししとう2ヶで、薄衣で揚がっていて、衣に邪魔さ得れることなく、ストレートに素材の味が楽しめた。天つゆが添えてあるので、そばつゆを濁すことなく、食べられた。


 鴨せいろ ¥1400

鴨せいろは、長方形型の器に薄緑色のそばがきれいによそってあった。

つけ汁は、甘口斜め切りの長ねぎ、鴨肉3ヶ位入ってた。天せいろのそばつゆより、少し甘口仕立てになってて、その柔らかな甘さが鴨肉によくあっていた。

薬味は、長ねぎ、わさび、山椒が添えてあった。


 そば湯

伝統を受け継ぐ魅力のある店。最近は、脱サラして、蕎麦店を出す人が増えてるが、渋さと重厚感のお手本になりそう。常陸秋そばの原点とも言えるかも。

■手打そば『村屋東亭』 →茨城県南の蕎麦店リストへ
 茨城県鉾田市安房1418
 電話:0291-32-3173
 営業時間:11:30〜17:00
 定休日:水曜日

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