ひたちなか市にある、全日本素人そば打ち大会の第3代(1998年)名人:益子正巳氏の店。

趣味のそば打ちの技を磨いて、全国のおいしい蕎麦店を食べ歩き、脱サラして平成15年10月に店をオープンした。

田畑があちこちに点在している新興住宅地の一画にある。道路沿いに「常陸秋そば」や「手打そば」の幟が風にはためいてて、すぐに店が見つかった。≫人気blogランキング



店頭が駐車場になってて、やや奥まった感じで建ってる。

大小2つの屋根が寄り添うように緩やかに傾斜していて、外壁は腰高までが(下見)板張り、玄関まわりに竹などをあしらって、ゆったり安定感のある和風の佇まい。

小屋根の上には、無垢材に力強い墨字で書かれた看板(川又南岳氏筆)が掲げられてて、念願の店という雰囲気が伝わってくる。



玄関前に表示されてるおすすめ品を見ながら、草木染めのような暖簾をくぐって中に入った。



入ると正面に電動石臼製粉機があり、右手にレジがあって、その後ろが広めの厨房になってた(客席側から調理の様子は見えなかった)。

左手は、玄関部分と遮断するかのように、床〜天井にかけて流木調の木が衝立風にたてかけてあって、その左手が客席になってた。奧がお座敷(6人用長テーブル×2)、手前がテーブル席(4人×2,8人用テーブル×1)。



障子戸を通して柔らかな光が差し込んでる客席には、自然の造形美をそのまま生かした一枚板のテーブルで配置されてて、力強く素朴な雰囲気。

迎えてくれた40代位の接客係の女性に案内されて、空いてる席に座った。



メニューから、そばがき¥650、鴨南そば¥1250、かけそば¥700と限定品の十割そば¥1000と粗挽き田舎そばの天せいろ¥1300を注文した。


そばがき¥650

最初に、そばがきが運ばれてきた。手焼き風の重厚感あるお皿の上に、ダイナミックに横たえるように盛り付けてあった。

運んできた女性従業員に、くっつかないよう、箸を壺状の器の中に入ってるお湯に浸してから食べて下さいと言われた。

表面が凸凹してて、白、緑、茶の粒粒が混じってるそばがきは、いかにも粗挽きって感じ。

口に含んでみると、餅のような食感を予想してたのに、糸をひくかのような粘りが感じられて、納豆のよう(粘りは納豆より淡泊な感じ)。新そばらしい豊かな香りがしっかりと感じられる。

添えてあった、醤油、のり、本わさびを使いながら食べた。

トッピングされてた丸抜きは、固くて、粘りのあるなめらかな食感の邪魔な気もするが見栄えよく、いかにも蕎麦を食べてる気持ちになれる。


天せいろ(粗挽き田舎そば)¥1300

天せいろは、そばが長方形型の弁当箱の容器に入っていて、女性従業員はこの容器に蓋をした状態で運んできて、そばが乾かないうちにお召し上がり下さいといいながら、テーブルに載せてくれた。

厨房〜客席までのわずかな距離&時間なのに、そばの風味を損なわないようにする心使いが感じられる。

粗挽き田舎そばは、黒い粒粒のある薄茶色の太打のそばで、幅3mm強できれいに揃ってた。口に含みと、冷んやりしてて、シコシコ固めの歯ごたえ。そばがきほどではないが、そばの香りが感じられた。

そばつゆは、少し醤油の色が薄めで、甘さ控えめながら、塩分にまるみのあるものだった。かつお等、だしの香りは、前面に出過ぎない位に効いてて、あくまでそばの香り重視の視点に立って作られたようなつゆだった。

薬味は、ねぎ、辛み大根、本わさびが添えてあった。
ねぎは、芯の部分を抜いてあるみたい。極薄くスライスした層状の白い部分が、絡んだ絹糸のようだった(水にさらした後、水っぽくないよう、きちんと水切りしてあった)。

私はそばつゆに、長ねぎを入れて食べないけれど、芯の部分が、抜いてあった方が、確かに風味が上品。

天ぷらは、7点盛り(海老2つ、さつまいも、舞茸、なす、大葉、ししとう)と豪華。天ぷらの衣は、少し透明感があって、サクサク軽やかな食感で、揚げた春雨のようだった。

そばつゆを濁さないよう、添えてあった塩で食べた。


十割そば¥1000

十割そばは、粗挽き田舎そば同様、お弁当箱みたいな長方形の蓋付の器に入っていたて、薄緑色の2mm弱にきれいに揃った細打ちそばだった。

水水しい光沢のあるそばは、口に含むと、ひんやりとして、そばの軽やかな香りと、引き締まったような歯ごたえが感じられた。


かけそば¥700

かけそばは、紅葉型の麩、三つ葉をトッピングしてあって、秋らしい風情に仕上がっていた。

そばだしは醤油色控えめの、かつおの風味が抑えぎみに効いてて、奥ゆかしい味。

添えてあったねぎ、細かい揚げ玉も繊細で、シンプルなかけそばの風味を引き立てる役割を果たしてた。


鴨南そば¥1250

鴨南そばは、醤油色控えめのそばだしの表面に、鴨肉、焼(揚?)ねぎ、白髪ねぎ、三つ葉がトッピングされてて、とても上品に仕上がってた。

鴨肉、ねぎともに、甘み食感など、素材の味が存分に感じられた。そばだしは、全部飲め干せそうな位、いい塩梅だった。


そば湯

うっすら白濁したそば湯は、ぽったりなめらか。口に含むと、そばの奥ゆかしい香りが感じられた。

店主の姿がチラリとも見られなかったのは、残念。オープンキッチンとかだったら、そばを茹でてる様子などが見られて、臨場感溢れる中でそばが味わえたかも。

夢を実現した店らしく、自然の造形をそのまま生かしたテーブルは、いささか使いにくいが、そば通向きの粋な雰囲気。

粋な店ながら、田舎のそば店っぽいファミリー層向けにもなってる感じ。

そばの水分、風味は失われてやすい。最近は、石臼自家製粉してる店が増えて、そばの風味がより濃厚に味わえるようになってきて、うれしい。

そばは食べれば食べるほど、その微妙さが発見できる。そば粉の状態だけでなく、仕上げに用いる冷水の温度によっても、感じられるそばの食感・風味が変わってくる。また、打ち手によっても、出来上がるそばの形状、食感はざまざま。そんなそばの奧深さを実感できる店。おすすめ度は、ちょっと遠いので7.2。

■手打そば『満志粉』
 茨城県ひたちなか市大字高野3267
 電話:029-285-0031
 営業時間:11:30〜14:00、17:00〜19:30
 定休日:月曜
 その他:店内禁煙

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